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「両刃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

両刃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
医師と共に又上がって来た。医師の診断に由ると、余の傷は剃刀よりも薄い非常に鋭利な両刃の兇器で刺したのだと云う、其の様な刃物が何所にあるだろうと聞くと、昔|伊国《....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
じく小声にて「何の為に目「何の為に、其様な事を聞く奴が有るものか、曲者は余程鋭い両刃の短剣を持て来たのだ、両刃と云う事は此傷の形で分る、傷の中程が少し厚くて両の....
」より 著者:宮本百合子
の祝いだ。失くさないようにしろ」 フランツは嬉しそうににこにこした。 「ほう!両刃だね」 ルイザは、卓子の彼方側から、熱心に父子を見守った。ハンスが妙に口を....
十二支考」より 著者:南方熊楠
くなる。身長三フィートばかりの小獣でその牙短小といえども至って尖《とが》り、かつ両刃あり怖ろしい傷を付ける。五十|乃至《ないし》数百匹群を成して夜行し、昼は木洞....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
です。 抉《えぐ》られている――それは胸か、腹か、腸《はらわた》か知らないが、両刃《もろは》の剣をもって抉られた瞬間でなければ出ない声だと思われる、大地を動か....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かし伝統的なアラビア人とユダヤ人との流血的対立を排除するどんな実力ももたない点、両刃の剣風に双方をかみ合わせる点、ローレンスが自分の国の政策を見とおさず、アラビ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
て、人間を更生させるところの、すでに千年の経験を積んだこの武器も、場合によっては両刃の凶器となることがある。それで、なかには、忍従と完全な自己制御におもむかない....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
あろう。彼の理性は同業組合的な集団の力強い努力に賛成を表していた。そういう集団の両刃の斧《おの》は、社会主義的国家の生命なき抽象観念を打ち拉《ひし》ぐとともに、....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
罪悪の淵辺《ふちべ》に立っている。よく研《と》がれた包丁のようなものである。彼は両刃を、すなわち困窮と悪意とを持っている。それゆえ隠語では、それを gueux ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る。剣をもって人を打つ。しかるにいかなる剣も単一なるものはない。あらゆる剣は皆|両刃《もろは》である。一方で他を傷つける者は、他方でおのれを傷つける。 以上の....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
の白鉢巻、白兜、革命党は皆ダンビラをひっさげて鋼鉄の鞭、爆弾、大砲、菱形に尖った両刃の劒、鎖鎌。土穀祠の前を通り過ぎて『阿Q、一緒に来い』と叫んだ。そこで乃公は....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
とんど一日がかりで嬲り殺しにするのであった。 今や一人の蛮人が、手に持っている両刃の剣で、ホーキン氏の腕を切ろうとした。とその刹那木立ちを通し一筋の征矢が飛ん....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
く、小乱れのだれ刃も見えていた。そうして、切っ先から、四寸ほど下がった辺りから、両刃になっていた。何より心を搏たれることは、それが兇器の剣でありながら、微塵も殺....
審判」より 著者:カフカフランツ
は、そのことを見抜いたと信じたばかりでなく、モンターク嬢がひとつの巧妙な、確かに両刃とも言うべき手段を選んだことを、見抜いた。この女はビュルストナー嬢と自分との....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
に隠しておいた原子力という宝剣を嗅ぎつけ、捜し出し、ついに手に入れた人類が、この両刃の剣を振っていかなる舞を舞わんとするか? 善用すれば人類文明の飛躍的進歩とな....