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両分
「両分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
両分の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
段《てだて》に困って、出入りのこのあっしに渡りをつけやがって、うまくいったら五百
両分け前をやるからと、仲間に抱き込みやがったんです。われながらなさけねえッたらあ....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
から書くので譬喩《ひゆ》が anachronism になるが、樺太《からふと》を
両分したようにして、二人は寝る。さて一寐入して目が醒《さ》めて云々《しかじか》と....
「弓町より」より 著者:石川啄木
私はその時ほど烈しく、人の好意から侮蔑を感じたことはなかった。 思想と文学との
両分野に跨《またが》って起った著明な新らしい運動の声は、食を求めて北へ北へと走っ....
「文壇の趨勢」より 著者:夏目漱石
て、何か新発展を希望する場合には圏外に優勢なものがあらわれ勝になる。もし読書界が
両分されて半々になるときは圏内圏外共に相応の競争があって、相応の読者を有する訳に....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
いる。そしてこの二者の思想は、古来から今日に至るまで、尚《なお》一貫した哲学上の
両分派で、おそらくはずっと未来にまで、哲学の歴史を貫通する論争の対陣だと言われて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、また、微賤なる大工の子の出身だといっています、そうしてキリストが、世界の歴史を
両分し、人間の心を支配しているのだというようなことをいっています」 「ははあ」 ....
「雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
事が出来る、そして破裂する時に、先ず一方へ閃光のように迸り出る火焔も見え、外被が
両分して飛び分れるところも明らかに見る事が出来る。風の影響もあるだろうが、それよ....
「誰が何故彼を殺したか」より 著者:平林初之輔
て裸にして返してしまったこと、詐欺はなかなか大仕掛けで、最近にも青森から、貨車二
両分の林檎《りんご》をとり寄せるというので前渡金《まえわたしきん》を着服してすっ....
「院展遠望」より 著者:和辻哲郎
遠望であるから細かいところは見えないものと承知していただきたい。 ごく大ざっぱな観察ではあるが、美術院展覧会を
両分している洋画と日本画とは、時を同じゅうして相並んでいるのが不思議に思えるほど....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
原注――もしくはいっそう正確にいうと(もっと後でそれが判るとおりに)それは存在の
両分(〔de'doublement〕)であって、このことは、ベートーヴェンにあっ....