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「両前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

両前の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
踊る地平線」より 著者:谷譲次
って、なかなか頼母しい眺めである。 こっちの卓子には、頭をきれいに分けて派出な両前の服を着た日本青年――N男爵嗣子オックスフォウドの学生――が、とうに食べおわ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
活をしていたものが俄に多くの月給を取るので、総てが奢り散らしたものである。もう百両前後の月給を取る内には、書生の二、三人を置き学資を給して学問をさせていた位であ....
やどなし犬」より 著者:鈴木三重吉
ふって肉屋のひざにとびつきました。 「よし/\/\。分ったよ/\。」と肉屋は犬の両前足をにぎって、外のたたきの方へつれていきました。犬はそれからまた一日中、店先....
高尾ざんげ」より 著者:豊島与志雄
聞くと、菊千代は階段を駆け上ってゆきました。 息を切らして、挨拶もせず、卓上に両前腕をついて、眼をつぶりました。 僅かな埋め火の炬燵に足を差し入れたまま檜山....
復活祭」より 著者:久生十蘭
ている。きっちりと身についたカッタウェーは小原の商標のようなものだが、薄い卵色の両前のウェースト・コートに黒リボンで縁《ふち》取した英国風のトルウザアス、コラ織....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ズボンに真紅《まっか》な靴下、固い立襟に水兵服、喉まで締め上げた万国博覧会時代の両前の上着。そうかと思うと、何を考えたか扇子《せんす》なんてのを持ったのもいる。....