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両天秤
「両天秤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
両天秤の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
節は孔雀《くじゃく》の舌《した》でも御風味に入れ可申候《もうすべくそろ》。……」
両天秤《りょうてんびん》をかけたなと主人は、あとが読みたくなる。
「御承知の通....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ぬ、成るほど余にも高輪田に縁談を言い込まれた事を話した、シテ見ると余と高輪田とへ
両天秤を掛けて運動して居たと見える、酷い女だ。
根西夫人も少し驚いた様子で「オ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
かりでなく、事件が発生した時に透さず飛び込んで行ける口実が出来るという、W一流の
両天秤をかけた思い付であったろうと考えられる。いずれにしてもその思切って大胆な、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てみて、 「二足のわらじははけねえ……色は色、慾は慾」 とつぶやいてみたが、 「
両天秤《りょうてんびん》にかかると、命があぶねえぞ……」 とその足を二三度踏み慣....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
たしゃ大嫌い! 刀を手に入れたい、あたしともいっしょにいたい――それじゃアまるで
両天秤《りょうてんびん》で、どっちか一つがおろそかになるのはきまりきってるじゃア....
「処女の木とアブ・サルガ」より 著者:野上豊一郎
配するだろうことをば逸早く予感していた。しかし、アントニウスとオクタヴィアヌスを
両天秤にかけて操縦することに於いては多少見当を誤り、アントニウスの方に偏しすぎた....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
ら、酒肴は船の中で開くんでしたね。美しい姐さんに船を漕いで貰う、お酌もして貰う、
両天秤を掛けるところを、肴は骨までしゃぶッて、瓢箪は一滴を留めずは情け無い。と云....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
違ない。 (註五) 我が皇位の尊厳と、和気清麻呂に対する過大なる賞讃とは、例えば
両天秤の様なもので、一方をあまりに高くあげると、一方が低く下って来るとは、かつて....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
になう形と似ているので、天秤棒という名が始まったのである。その天秤が今ではただ、
両天秤などという言葉だけをのこして、だんだん使われなくなってきたために、説明がむ....