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両様
「両様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
両様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
神を餐《あえ》まつることのよしを仲立に、一元に敏《と》く貫くいのちの力により物心
両様の中核を一つに披《ひら》いて、神の世界をまさしく地上に見ようとする純粋にも純....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
ていないためらしい。 ○俳優に対する演出者の強みには個人的なものと一般的なものと
両様ある。個人的なものとはもっぱら演出者の個々の眼の鋭さに由来するが、一般的なも....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た口調で、検事もメフィストの科白で相槌を打ったけれども、それには、犯人と法水と、
両様の意味で圧倒されてしまった。……あの夜ダンネベルグ夫人が死体となった室の扉に....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
至極宜かったな」 長「はい、お父様、あの皿を今一応お検めを願います、野菊と白菊と
両様共お検めを願います」 作「彼は先刻検めました」 長「お検めでございましょうが....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
処へと段々引込まざるを得なくなるのは悲惨である。同じ交通の便利の恩恵を受けるにも
両様の意味がある。 ▲戸川秋骨君が曾て大久保を高等|裏店だと云ったのは適切の名....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
ている梓川の本流に、この島々谷の水が、いきおい込んで突きかかるところは、灰と緑と
両様の水が、丁字に色別けをされて、やがてそれが一つの灰白色に、ごっちゃにされて、....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
して置いてからに」怪訝だというような表情である。 隅田のご前は笑ったが、「和戦
両様に備えたのさ。浮世は万事がこういかなければいけない」 「何も私だって争いたく....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
まったく、痛恨とはこの事であろう。みすみす、目前にみながら此処が限度となると、
両様意味はちがうが、二人の嘆きは。……宝の山の鰻のにおいを嗅ぐ、セルカークはこと....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
入りに計算され予定されていたのです。のみならず、ヒサの行方を探すフリをして、男女
両様に変装して行李を中橋家へ届けることも、中橋をおびきだして殺すことも。ヤスは九....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
用、まだ早うござる。……なるほど防身は確かでござる。が果たして射術の方は? ……
両様の態定った暁、何も彼もお明しなさるがよろしい」 ここでにわかに手を拍つ音が....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
で仕事の性質は? と、貴殿には訊かれるかも知れない。さあこれとて考えようで。善悪
両様に取られますなあ。そこで、こいつは預かるか、ないしは善事だと決めてしまうか、....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ソンと云ってさすが英人であるだけに冒険心に富んでいた。彼は考古学と動物学とのこの
両様の学説を深く研究した結果によって、どうしても南洋のボルネオかイラン高原の大森....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
拗に、あたかも検査でもするかのように、紋也をいつまでもみつめている。
こういう
両様の態度の中へ、紋也ははさまれているのである。しだいに怒りの感情が、胸の中へ盛....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
に馴染ませた一例ということが出来る。 兎まれ秀吉と家康との南洋政策は、その硬軟
両様の外交によって、その時代に於ては成功していたのである。....
「迷信解」より 著者:井上円了
略しておこう。 さて、狐惑、狐憑きの説明につきては、物理的方面と心理的方面との
両様より考えなければならぬ。まず物理的方面にては、狐狸その体に、果たしてよく人を....