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両立
「両立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
両立の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
上には多くの電燈が、昼のような光を放って居ります。云わば私の前後左右には、神秘と
両立し難い一切の条件が、備っていたとでも申しましょうか。そうして私は実に、そう云....
「或る女」より 著者:有島武郎
。母は――母はいちばん葉子の身近《みぢか》にいたといっていい。それだけ葉子は母と
両立し得ない仇敵《きゅうてき》のような感じを持った。母は新しい型にわが子を取り入....
「或る女」より 著者:有島武郎
本能的に煽《あお》ぎ立てるのだった。この奇怪な二つの矛盾が葉子の心の中には平気で
両立しようとしていた。葉子は眼前の境界でその二つの矛盾を割合に困難もなく使い分け....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
老博士の怪行動 せっかくの権威者会談が、青倉教授と志々度博士の意見の
両立となってしまって、総監はついに、その席では、何らの措置決定をせずして、会談を....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
地を捏造しようとするのは、明かに本能に対する謂れのない迫害である。本能は分解とは
両立することが出来ない。本能はいつでもその全体に於て働かねばならぬ。人間の本能―....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
身の保護の為めに白色又は水色等の首環と鈴とを着けて置くが良い、併し此鈴と捕鼠とは
両立しないもので、如何に其猫が鼠を捕りたくても歩く毎に鈴が鳴っては堪らない、之は....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
よりすれば、なるべく広い範囲が希望されるのであるが、同時に戦争と建設とはなかなか
両立し難く、大建設のためにはなるべく長い平和が希望される。徒らに範囲拡大のために....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
国家と相容るるに難からざるがごとく、国民的精神は世界すなわち博愛的感情ともとより
両立するにあまりあり、個人が国家に対して竭すべきの義務あるがごとく、国民といえる....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
く荒削りで、近代的に畸形であった。力が恐ろしく強かった。 「これは極端と極端だ、
両立すべきものではない。師弟となるべきものではない。相克するのは当然だ。基督とい....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
ものではない。声が大きいということと、言葉が明瞭に聞き取れるということは必ずしも
両立しない。死んだ松助などは家にいるときもあのとおりであろうと想像されるような発....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
解下さい……」 「…………」 「一つ秩父の同じ地方で、それほどの立派な男が二人、
両立して争うとはいかにも残念! 戦えば両虎とも傷つきましょう。和解して力を一つに....
「奉行と人相学」より 著者:菊池寛
どは、当時は、現代の執行猶予くらいの恩典だった。 が、隠徳の相と盗心の相とは、
両立するものと見え、木鼠長吉は、改心しなかった。すぐまた盗賊稼業を始めたと見え、....
「西航日録」より 著者:井上円了
また、樹木は煤煙のために深黒に化しおるも、また同感なり。要するに、工業と風景とは
両立し難きものと知るべし。 木の黒く河の濁るは工業の土地に栄ゆる印なりけり 一....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
すると、兎角、遺憾な事や迷いが邪魔をします。 よく世間の中には、宗教と科学とは
両立しないとか、宗教は文化に逆行するとかいう意見を述べる人があります。あるいは、....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
注画讃」の三国氏説について考えてみるに、その先祖が聖武天皇の後胤だとあることとは
両立し難い感がないでもない。何となれば、三国氏が聖武天皇の後だとは、一向古書の記....