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両隣
「両隣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
両隣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「卑怯者」より 著者:有島武郎
と転げ出しているだろう。その音を聞きつけて、往来の子供たちはもとより、向こう三軒
両隣の窓の中から人々が顔を突き出して何事が起こったかとこっちを見る時、あの子供と....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に浅草へ急いだ。 馬道の白雲堂の店は、けさに限っていつまでも戸を明けないので、
両隣りの者が不審をいだいて表の戸を叩いたが、内にはなんの返事もないので、いよいよ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とりあえずその実否を確かめに行こうとすると、家主もその噂を聴いて出て来た。家主と
両隣りの人々に附き添われて、お徳はこころも空に江戸川堤へ駈けつけると、死骸はもう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も内を覗いて見る人もなかったが、それからあしかけ四日目に阿母が一人で帰って来た。
両隣りの人に挨拶して、やがて格子をあけてはいったかと思うと、たちまち泣き声をあげ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
手が鋭い刃物を持っているのにおびやかされて、お雪は声を立てることが出来なかった。
両隣りにも人家がありながら、声を立てたら命がないとおどされているので、彼女は身を....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
その家は、表をずッと引込んだ処に、城の櫓のような屋根が、雲の中に陰気に黒い。
両隣は引手茶屋で、それは既に、先刻中引けが過ぎる頃、伸上って蔀を下ろしたり、仲の....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
荷物をかたづけて、型のごとくに入浴する。そこでひと息ついた後、宿の女中にむかって
両隣りの客はどんな人々であるかを訊く。病人であるか、女づれであるか、子供がいるか....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
て日本全国が焦土となると想像したものは頗る多かった。内地雑居となった暁は向う三軒
両隣が尽く欧米人となって土地を奪われ商工業を壟断せられ、総ての日本人は欧米人の被....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
する。 「おい、うしろへ女が来たようだぜ。一つ話をして見ようじゃないか。」 と
両隣りの堺と山川とに相談して、コツコツとうしろの板を叩いた。向うでもすぐにやはり....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
、店内にひとり住んでいたので、当時の店内の様子を証言する者がいなかった。向う三軒
両隣はあるけれど、今日はチャン老人が殺害されると分っているなら、老人の店に出入り....
「一坪館」より 著者:海野十三
にも彼のテント店は雨にたたかれて汚い色と化し、みすぼらしさを加えた、そればかりか
両隣りもお向いも、みんな本建築になってしまったので、源一のテント店は一そうみすぼ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
が御遠慮を遊ばすんでございますよ。」 その隣家に三十ばかりの女房一人住みたり。
両隣は皆二階家なるに、其家ばかり平家にて、屋根低く、軒もまた小かなりければ、大な....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
提灯やら、そこは通った。」 三 「はい、あの軒ごと、家ごと、向三軒
両隣と申しました工合に、玉転し、射的だの、あなた、賭的がござりまして、山のように....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
得てるさ、ちっとも気あつかいのいらないように万事取計らうから可いよ。向うが空屋で
両隣が畠でな、聾の婆さんが一人で居るという家が一軒、……どうだね、」と物凄いこと....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
の荷物をかたづけて、型のごとくに入浴する。そこで一息ついた後、宿の女中にむかって
両隣の客はどんな人々であるかを訊く。病人であるか、女づれであるか、子供がいるかを....