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「並外れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

並外れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
京にな、お発《た》ちなさるし、婆やは淋しいこんです。いい人でな、あなた。あんな人並外れて大きいがに、赤坊のような人でなもし。婆や婆やたらいって、大事にしておくれ....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
避雷針から二フィート以内のところまでとどく、ということは明らかだった。また、ごく並外れた勇気と活動力とがあれば、避雷針からこうして窓の内へ入ることができたかもし....
倫敦消息」より 著者:夏目漱石
が向うの方がどうしても立派だ。何となく自分が肩身の狭い心持ちがする。向うから人間並外れた低い奴が来た。占《しめ》たと思ってすれ違って見ると自分より二寸ばかり高い....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ろ三年も前の事だからすっかり忘れて終いました」 「そんな馬鹿な事があるものか。人並外れて記憶の好いお前が、そんな大事件を忘れて終う筈がない。云い出したからにはハ....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
を振りあてられているらしい。そうして彼は何とでもして生きなければならない。彼には並外れた野心のあるためではないが、そうしてまた、よしそんな野心があったにしたとこ....
S岬西洋婦人絞殺事件」より 著者:夢野久作
の入れ工合を見ると、肩幅が普通人よりも狭いようです。東作老人もロスコー氏も肩幅が並外れて広いのですからね。ほかの西洋人は勿論のこと、日本人でもコンナに狭いのは先....
虎狩」より 著者:中島敦
を掛けた男の、じっと突立っているのが、私の目を惹《ひ》いた。其《そ》の男は背が人並外れて高かったばかりではなく、その風采が、また著しく人目を惹くに足るものだった....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
とがわかったのだ。 「そのハイド氏というのは小柄な男ですか?」と彼は尋ねた。 「並外れて小柄で、並外れて人相が悪い、とその女中が言っているのです、」と警官が言っ....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
夜中に目がさめて電燈が消えていると、死んだのか、と慌てる始末であった。私はつまり並外れて死ぬことを怖がるたちなのだろう。 五分ぐらいすぎて、私は次第に怖しくな....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
割ることが出来そうであり、横から見ると誰でもその袖幅が馬鹿に広く出来ているのや、並外れて胸の厚いのに気がつかざるを得ないのであった。いわば、彼はちょっと見ただけ....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
どう!」と言いながら、彼等を立ち止らせて休ませるたびに、左側の先導馬は、いかにも並外れて勢のある馬らしく――頭や頭に附いているすべてのものを激しく振り動かし、こ....
接吻」より 著者:神西清
こし、また例の夏の日の空想やまぼろしを思いおこし、つくづく自分の生活がわれながら並外れて退屈な、みじめな、ぱっとしないものに思われて来た。…… やがて彼が宿舎....
魔都」より 著者:久生十蘭
たに違いない。いわんや、ツルゲネーフの散文詩などひねくるところを見たら、あまりの並外れに開いた口が塞がらぬ思いをしたであろう。ふだんの真名古は決してこんな生優し....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
ゃう」と加奈子が手足をじたばたさせると友達はそれを指して、 ――それそこがもう人並外れのところよ」といった。 いろいろの経験からついて来る人間に手がかりを与え....
童話」より 著者:室生犀星
かんじがした。敲いてみたら何か音がしそうに思われ、そしてその眼つきのきれいさも人並外れた澄み方をしていた。「これからお母さまのそばにずっといるんでしょうね。お母....