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並存
「並存〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
並存の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
両者の関係に就いても亦、古来色々異った関係が存在したし、又従って色々異った見解が
並存している。大体から云って区別すると併し、両者が結局に於て一致するか或いは一致....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
方というのはなかった。ところで現在、農村に集団農場、箇人耕作をする中農、及富農と
並存している過渡的情勢で、一番、野菜類穀物類を売り出す可能をもっているのはどの部....
「ソヴェト文壇の現状」より 著者:宮本百合子
的な現実を芸術に表現するものとして、その階級文化の所産・武器としてソヴェト文壇に
並存するいろんな流派を指導し発展の方向を示すのがプロレタリア作家団体であるのはわ....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
――仮に衝突したり摩擦し合ったりしても――まだそれだけでは対立してはいない、単に
並存しているに過ぎない。 「公平」に観てもそうなのであるが、実在は決して道徳的俗....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
的に否定したり、又はそれと積極的に対立することなどではなくて、単に同格の諸自由が
並存している場合に限って、その内どれか目的に適ったもの一つだけに優先権を与えると....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
云って、測定者があるだけの幾個もの原点を夫々の中心とした、幾つもの空間が独立して
並存する。こういう独立の幾つもの空間は、幾何学に於ては、即ち幾何学的空間としては....
「範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
て、対立ということは超越的なるものと内在的なるものとの対立の外はない。何となれば
並存的なものの対立にはすでにこの対立を内に含む一般者が必要であり、かくてこの一般....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
を廊下で聴いたというのだ。心理学者は母性愛と並行する母性憎があるという。その愛憎
並存を老齢のまきにあてて、この事件はますます疑雲におおわれてしまった。 老齢に....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
いた、あの熾烈な憎悪も、近頃ではどうやら惹き合うものが現われてきて、早苗は、愛憎
並存の異様な心理に悩むようになってきた。 しかし、お悦の言葉には、強く頭を振っ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の証拠として出生及び結婚の記録簿を引証している。しかし、これらの原因は疑いもなく
並存することもあろうが、しかしもしプライス博士の推理が正しいとするならば、かかる....
「昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
という人がある。だがこの二つは決して調和する代物ではない。それは林房雄個人の中に
並存しているかもしれないけれども、決して調和してはいない。この二つが似ているのは....
「解説」より 著者:原田義人
るのであり、もしそうしたものが矛盾にみちた緊張、人間的なさまざまな対立の同時的な
並存を忠実かつ真実に反映されるべきものであるならば、どうしても逆説的に形態化され....