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並木
「並木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
並木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
この島の海岸の市街《まち》であろう。小綺麗《こぎれい》な家々の並んだのが見える。
並木の梢《こずえ》に風のあるのが見える。伽藍《がらん》の塔の聳えたのが見える。靄....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
かすかな舟脚《ふなあし》を夜の水に残しながら、彼是《かれこれ》駒形《こまかた》の
並木近くへさしかかっていたのです。その中にまた三浦が、沈んだ声で云いますには、『....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
―と云っても、日が暮れると、しばしば深い靄《もや》が下りる、十二月の初旬近くで、
並木の柳や鈴懸《すずかけ》などが、とうに黄いろい葉をふるっていた、ある雨《あま》....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
たい、なつかしい町である。吾妻橋《あづまばし》から川下ならば、駒形《こまかた》、
並木、蔵前《くらまえ》、代地《だいち》、柳橋《やなぎばし》、あるいは多田の薬師前....
「路上」より 著者:芥川竜之介
。と思うと追々に赤煉瓦の色が寒くなって、正門の前から続いている銀杏《いちょう》の
並木の下まで来ると、もう高い
並木の梢《こずえ》が一面に煙って見えるほど、しとしと....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ぶら下った宿屋を尋ねあぐんで、泣きそうになったとあるです。ところで其許は、道中松
並木で出来た道づれの格だ。その道づれと、何んと一口|遣ろうではないか、ええ、捻平....
「橋」より 著者:池谷信三郎
廻された。彼は何をしでかすか解らない自分に、監視の眼を見張りだした。 川沿いの
並木道が長く続いていた。二人の別れる橋の灯が、遠く靄の中に霞んでいた。街灯の光り....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ていました。そこで、うわおいぐつも魔法をつかう機会がありませんでした。 公園の
並木道にはいると、書記はふとお友だちの、若い詩人にであいました。詩人は、あしたか....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いるように、胸をふるわせながら、エリーザは月夜の晩、そっとお庭へぬけだして、長い
並木道をとおって、さびしい通をいくつかぬけて、お寺の墓地へでていきました。すると....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
そこで、からすとゲルダとは、お庭をぬけて、木の葉があとからあとからと、ちってくる
並木道を通りました。そして、お城のあかりが、じゅんじゅんにきえてしまったとき、か....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
えを、明けても暮れてもただぐるぐると――。 今夜は霧が深くたち籠めている。霧は
並木路をつつんでしまって、鈍い光をはなっている瓦斯灯が燻った蝋燭のようにみえる。....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
マルコは大変よろこんで教えてもらった道を急ぎました。道の両がわにはこんもりとした
並木が立ちならんでいました。マルコは足のいたいことも忘れて歩きました。 その夜....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
リカ式の大建築は、どこにあるのも見にくいものゝみである。その外、電車、カフエー、
並木、自働車、何れもあまり感心するものはない。 しかし、さういふ不愉快な町中で....
「寡婦」より 著者:秋田滋
その子はいつ見ても物思いに耽っておりました。そして、館から森へ通じている広い楡の
並木路を、たッたひとりでいつまでもいつまでも、往ったり来たりして歩いているのです....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
それは――生憎何の木かはちょっと僕には見当もつかない。が、兎に角新芽を吹いた昔の
並木の一本である。僕の覚えている柳の木は一本も今では残っていない。けれどもこの木....