並木道[語句情報] » 並木道

「並木道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

並木道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
に折れて、木曾川の流れに沿うて、険しい間道を急いだ。 市九郎が、藪原の宿手前の並木道に来た時は、春の長い日がまったく暮れて、十日ばかりの月が木曾の山の彼方に登....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
たるものがあったと、このかつての女優は思った。 心斎橋の雑閙を避けて、御堂筋の並木道を大丸の方へ、肩を並べて歩いて行った。柔い日射しが二人の顔にまともに降り注....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
っていた。 銃を持ち、剣をさげた第七区警察署の巡警は、歩哨のように、アカシヤの並木道の辻に立って、彼の裏門に出入する人間を見張っていた。夜間の、闇にまぎれて、....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ッと思った間に相前後しながら、竿立ちになったその馬の背から、もんどり打って街道の並木道に、蛙のごとく叩きつけられました。 二 「伸びたか。面倒なこ....
」より 著者:島崎藤村
の足は電車の通う橋の方へ向き易かった。そこから、黄昏時の空気、チラチラ点く燈火、並木道、ゴチャゴチャした町の建物なぞを眺めては帰って来た。家の近くには、人の集る....
」より 著者:池谷信三郎
廻された。彼は何をしでかすか解らない自分に、監視の眼を見張りだした。 川沿いの並木道が長く続いていた。二人の別れる橋の灯が、遠く靄の中に霞んでいた。街灯の光り....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ていました。そこで、うわおいぐつも魔法をつかう機会がありませんでした。 公園の並木道にはいると、書記はふとお友だちの、若い詩人にであいました。詩人は、あしたか....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いるように、胸をふるわせながら、エリーザは月夜の晩、そっとお庭へぬけだして、長い並木道をとおって、さびしい通をいくつかぬけて、お寺の墓地へでていきました。すると....
雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
そこで、からすとゲルダとは、お庭をぬけて、木の葉があとからあとからと、ちってくる並木道を通りました。そして、お城のあかりが、じゅんじゅんにきえてしまったとき、か....
家なき子」より 著者:楠山正雄
(近所)のきれいな芝生には、大きな樹木が気持ちのいいかげを作っていて、そこへ広い並木道がほうぼうから集まっていた。その並木道の一つで第一回の興行がすることにした....
ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)」より 著者:楠山正雄
、もうこのままここで、行きだおれになるかとおもいました。 するうちふと、ながい並木道のはるかむこうに、ぽつんとひとつ、火あかりがみえました。商人は、ほっとしな....
貞操問答」より 著者:菊池寛
ると、 「あちらへ歩きましょう。」と、新子を誘った。新子も、うなずいてアカシヤの並木道を、山手の方へ並んで歩き出した。 準之助氏は、しばらくの間無言だった。 ....
接吻」より 著者:神西清
らも行ける――それは教会の裏手から川さ下りて、川ぶち伝いにお庭まで出れば、あとは並木道がちゃんと目当ての場所へ連れて行ってくれる、もう一つは上の道で――これは教....
かもめ」より 著者:神西清
こと。――三幕と四幕のあいだに二年間が経過 ソーリン家の領地内の廃園の一部。広い並木道が、観客席から庭の奥のほうへ走って、湖に通じているのだが、家庭劇のため急設....
赤兵の歌」より 著者:江森盛弥
ではないぞ、 俺達の雨脚は雪の中で石のように凍っているのに、 レーニンは自動車で並木道を滑って行く、 ――割が悪いと、ブツブツ云う奴は恥じろ! ああ! 一人ぽっ....