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「並足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

並足の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
古き小画」より 著者:宮本百合子
た。兜の男と赤い羽毛飾をつけた男とが、ひらりとそれに跨った。 彼等は暫くの間、並足で高地の端に沿って騎って行ったが、一寸、物かげに隠れると、今度は別な方から、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、なにくわぬ面《かお》で今日まで生きていられた自分というものが、今晩はここで、人並足らずの間抜けのような若い男と、畜生の一つのために腸《はらわた》まで見透かされ....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
た。そして司祭に言った。 「彼らのほうは帽子だが、私のほうは頭です。」 一同は並足で進んでいった。 花物河岸は香りを立てていた。花市の日だった。花売娘らは花....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
くなくとも彼らがハゲ蛸をでてから一時間あとでなければならぬ。ハゲ蛸から母里家まで並足で三分か五分ぐらいのもの。くらい夜道で、どうもつれて歩いても、二十分か、三十....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
行ってみようじゃありませんか。何か変ったことが起きているかも知れません。私たちの並足では太駄一泊の二日がかりで到着するのが当り前の行程ですね。明日の午ごろオーカ....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
おい!」 「よしよし! おうい!」とジェリーは前よりももっと嗄れ声で言った。 「並足で来るんだぞ。いいか? それからもしお前がその鞍にピストル袋をつけてるんなら....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た。ところが、不明の騎士も馬を早め、歩調をあわせた。イカバッドは手綱をひきしめ、並足にし、後におくれようとした。相手もおなじようにした。彼は憂鬱になってきた。讃....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
赦なくさっさと歩いた。寿女は息切れがして決して早くは歩けなかったから、この母親の並足に追いつくため、真っ赤になってせいせい息をきらした。母親のこの苛酷さは、母親....
新訂雲母阪」より 著者:直木三十五
主人は甚七が、徒歩でこの辺へまで来た頃と計っていたから、立場《たてば》の前で馬を並足に一軒々々覗いてきた。甚七のいる茶店の前へきた時に、丁度甚七は、厠《かわや》....