»
中
「中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
1
浅草《あさくさ》の仁王門《におうもん》の
中に吊《つ》った、火のともらない大提灯《おおじょうちん》。提灯は次第に上へあがり....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
を組んで、何か考えているようでしたが、やがて決心でもついたのか、さっさとその家の
中へはいって行きました。すると突然聞えて来たのは、婆さんの罵る声に交った、支那人....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
く筈だから、こゝではその方に譲って書かない事にした。序ながら菊池が新思潮の同人の
中では最も善い父で且夫たる事をつけ加えて置く。....
「狂女」より 著者:秋田滋
算段をするからな」 しかし彼女は身動きひとつしなかった。相手の姿などはてんで眼
中にないかのように、例によって例のごとく、じいッとしたままだった。 この落つき....
「墓」より 著者:秋田滋
てみると、どうやら小屋のまわりをルンペンか何かが徘徊してでもいるらしく、犬は、夢
中になって吠えながら、頻りに戸の下のところを嗅いでいる。そこで墓番のヴァンサンは....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
の理由を述べ尽しているのである。以下その手記である、―― 夜も更けた、もう真夜
中である。私はこの手記を書いてしまうと自殺をするのだ。なぜだ? 私はその理由を書....
「初雪」より 著者:秋田滋
かる焔にかざした。燃えあがっている火は顔を焦すほど熱かったが、氷のような風が、背
中へはいって来て、それが膚と着物との間を分け入ってゆくような気がした。彼女のから....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
または詩など寄合書にしたる白金布の蝙蝠傘あるいは杖にしあるいは日を除け、道々も道
中の気遣いを故郷の恋しさと未来の大望とか悲しみ悦び憂いをかわるがわる胸
中に往来し....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
二つの条件を備えておるとは思わない。ただ最初の試みをするのみである。 科学者の
中で、特にファラデーを選んだ理由は、第一。それゆえ、伝記を書くにも精密に書ける。....
「寡婦」より 著者:秋田滋
挙句の果に、かれこれ六十五にもなろうという年をして、自分のところの小作人の娘に夢
中になってしまいました。私はその男も女もよく識っております。その娘は金色の頭髪を....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
高い丘に、小さな渓谷、というよりはむしろ窪地というべきところがあるが、そこは世の
中でいちばん静かな場所である。小川が滑るように流れそのせせらぎは人を眠りにいざな....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
な気がした。今はもう気も顛倒してしまった彼は、我が子の名を呼びつづけながら、闇の
中をかき分けるようにして馳けて行った。 「ジャン! ジャーン!」 こうして彼は....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
彼は高等法院長として、清廉な法官として世を去った。非の打ちどころのないその生涯は、フランス
中の裁判所の評判になった。弁護士、若い法律顧問、判事たちも、二つの凹んだ眼が光っ....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
目に浮べて、悲喜交々、闘志を抱いて渡る関門の海峡を、逆に白波を追っていた連絡船の
中で、夢野久作の正体を発見したのである。 「オオ、ジッちゃんじゃないか、此頃あた....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
いていました。 伊作、多助、太郎右衛門の三人は、ある秋の末に、いつものように背
中に炭俵を三俵ずつ背負って城下へ出かけて行きました。三人が村を出た時は、まだ河の....