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中っ腹
「中っ腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中っ腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
》が蒸れる癖に、時々ひやりと風が流れる、梅雨中にありがちな天気でした。新蔵は勿論
中っ腹で、お敏の本心を聞かない内は、ただじゃ帰らないくらいな気組でしたから、墨を....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のを、意外にもすっかり名人に聞かれてしまったので、恥ずかしさと腹だたしさに伝六は
中っ腹でした。 「人の悪いにもほどがあらあ。ないしょごとってえものがあるんだ。人....
「縮図」より 著者:徳田秋声
来るか来ないか、はっきり返辞をしろというんで、さっきからの電話のごたごたで、少し
中っ腹になっているの。」 「それでどうしたんだ。」 均平は淡い嫉妬のようなもの....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
た。 多分葉子に逢っての帰りであろう、翌日一色がふらりとやって来た。庸三は少し
中っ腹で昨夜の葉子を非難した。 「山路草葉から僕んとこへまで渡り歩こうという女な....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
頷いて
「そうか――うむ、行くがよい。庄吉でも、つれて」
と、云った。深雪は、
中っ腹で、突っかかったのに、益満が、すぐ、承知してくれたので
(怒ったりして、済....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
くなった小奇術《こづま》の巧かった弄珠子ビリケンと、私は名古屋の大須観音境内を、
中っ腹の朝酒でブラブラしていた。いよいよ自棄に身を持ち崩していたその時の私は、も....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ねえ、そう言うお前はいってえ、何の臭いだか、え、彦、自身で伺いを立てて見なよ。」
中っ腹の勘次はよくこう言っては、癪半分の冷笑を浴びせかけた。そんな場合、彦兵衛は....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
いねえかよ。」 濛々と湯気の罩《こも》った柘榴口《ざくろぐち》から、勘弁勘次が
中っ腹に我鳴り返した。 「なんでえ、いけ騒々しい。迷子《めえご》の迷子の三太郎じ....