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中の口
「中の口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中の口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
》」と云うのを得意にする年輩《ねんぱい》である。その自ら「己《おれ》」と称する連
中の口から、旅行の予想、生徒同志の品隲《ひんしつ》、教員の悪評などが盛んに出た。....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
《よしむね》の内意を受けて、手負《てお》いと披露《ひろう》したまま駕籠《かご》で
中の口から、平川口へ出て引きとらせた。公《おおやけ》に死去の届が出たのは、二十一....
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
くち》におき忘れてあるんだ。そうだ」僕は飛び上がるほど嬉《うれ》しくなりました。
中の口の帽子かけに庇《ひさし》のぴかぴか光った帽子が、知らん顔をしてぶら下がって....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
《なゝとこがり》をして百両|纒《まと》めて、日の暮々《くれ/″\》に大伴蟠龍軒の
中の口から案内もなしで通りましたが、前と違い門弟|衆《しゅ》も待遇《あしらい》が....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
《たばこだい》にも困るだろうと済まぬ気がしていたのにと不審《ふしん》に思った。女
中の口から、柳吉がたびたび妹に無心していたことが分ると目の前が真暗になった。自分....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
り、大あり。消えてなくなったその子せがれは、十だとか十一だとかいいましたがね、女
中の口から聞き出したところによると、質屋の子せがれのくせに、だいいちひどく鷹揚《....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なかも薄暗いのでよくは判らなかったが、内玄関のあたりは随分荒れているらしかった。
中の口の次に八畳の座敷がある。喜右衛門をここに控えさせて、中間はどこへか立ち去っ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
い気ちがいだ。」と、わたくしの父も言いました。 ところが、その後にお仲という女
中の口からこういう事実が伝えられて、わたくしどもを不思議がらせました。前にも申す....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
のお上屋敷へまいりますと、御門番には予て其の筋から通知がしてありますから、大藏を
中の口へ通し
中の口から書院へ通しました。 十五 御書院の正面に....
「爛」より 著者:徳田秋声
大学の有名な教授であることが、おりおり門口などで口を利き合うほどに心易くなった女
中の口から、お増に話された。 「旦那さまは、それでも一年に四、五回もいらっしゃる....
「ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
にそんな問題は自然に消えてしまった。 子猫がほしいという家族の大多数の希望が女
中の口から出入りの八百屋に伝えられる間にそれが積極的な要求に変わってしまったらし....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
婆「はい、宜しゅうございますとも、左様なら」 蟠龍軒はお瀧を連れて松平|某の
中の口へまいりまして、 蟠「頼む/\」 中小姓「どーれ……これは/\大伴先生....
「兜」より 著者:岡本綺堂
、中間のひとりが明けてやるのを待ちかねたように、彼は息を切ってころげ込んで来て、
中の口――すなわち内玄関の格子さきでぶっ倒れてしまった。 兜をかぶっているので....
「おせん」より 著者:邦枝完二
二三|日前に奉公に来た八|歳の政吉から、番頭の幸兵衛まで、やけ半分に呼びながら、
中の口からあたふたと駆け込んで来た徳太郎は、髷の刷毛先に届く、背中一|杯の汚泥も....
「「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
も無論先方に対する最敬語である。しかし今はそれが侮蔑の義に用いられて、気の早い連
中の口論の場合に、「貴様」の一言が導火となって、「貴様とは何だ」と早速相手をなぐ....