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中の君
「中の君〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中の君の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風の便り」より 著者:太宰治
自分は、君の無意識な独《ひと》り合点《がてん》の強さに呆《あき》れました。作品の
中の君は単純な感傷家で、しかもその感傷が、たいへん素朴なので、自分は、数千年前の....
「わが町」より 著者:織田作之助
こいで失礼さしてもらいま。えらいおやかまっさんでした」 他吉が頭を下げると、背
中の君枝の頭もぶらんと宙に浮いて、下った。 4 間もなく他吉は南....
「『土』に就て」より 著者:夏目漱石
見えたとあるから、今頃は九州に居るだろう。余は出版の時機に後《おく》れないで、病
中の君の為に、「土」に就いて是丈《これだけ》の事を言い得たのを喜こぶのである。余....
「源氏物語」より 著者:紫式部
きたのですからね、何かあなたからお返事をお出しなさい」 と、大姫君は例のように
中の君に勧めて書かせようとした。
中の君は今日まで生きていて硯などを引き寄せてもの....
「源氏物語」より 著者:紫式部
姫君のあまりに高貴な気に打たれてしまうことが多いからであった。それで兵部卿の宮と
中の君の縁組みのことを熱心なふうに言い出した。 「それほど深くお思いになるのでな....
「源氏物語」より 著者:紫式部
り」と言われる春であったから、山荘のほとりのにおいやかになった光を見ても、宇治の
中の君は、どうして自分は今まで生きていられたのであろうと、現在を夢のようにばかり....
「源氏物語」より 著者:紫式部
の君の結婚の用意にかかって、八月ごろにと宮へその期を申し上げた。これを二条の院の
中の君も聞いた。やはりそうであった、自分などという何のよい背景も持たない女には必....
「源氏物語」より 著者:紫式部
は世話に手を貸そうとも思っていたが、それをするのも気が進まないままに、二条の院の
中の君へまず手紙を送ることにした。 用事がございませんで手紙を差し上げますのもな....
「源氏物語」より 著者:紫式部
は思わなかったのに」 こんなふうにお言いになり、怨みをお洩らしになるおりおり、
中の君は苦しくてありのままのことを言ってしまおうとも思わないではなかったが、妻の....
「源氏物語」より 著者:紫式部
つけて差し上げた。 忍び音や君も泣くらんかひもなきしでのたをさに心通はば 宮は
中の君の顔の浮舟によく似たのに心を慰めて、二人で庭をながめておいでになる時であっ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
の手に届かないということも、ないともかぎりません。その場合には、ラニョン君、明日
中の君に最も都合のよい時に、私の頼んだ用事をして下さい。そして、夜の十二時にもう....
「愚かな一日」より 著者:豊島与志雄
。」と瀬川は云った。話し疲れて彼が眼を閉じると、瀬川は云った。「自分のことから病
中の君まで興奮さして許してくれ。」彼が眼を開くと、瀬川は眼を潤ましていた。二人は....
「なりひら小僧」より 著者:山中貞雄
一目散に逃げ去る。 一同大笑いだ。 (F・O) ○=(F・I)森の中 駕籠の
中の君江が怖ろしさに震えている。 主膳と侍甲が側で口説いている。主膳が、 T「....