中の衣[語句情報] » 中の衣

「中の衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中の衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
服装に就いて」より 著者:太宰治
の倉庫に永いこと預け放しにして置いたのである。ところが昨年の秋、私は、その倉庫の中の衣服やら毛布やら書籍やらを少し整理して、不要のものは売り払い、入用と思われる....
源氏物語」より 著者:紫式部
陸《ひたち》の宮では、女房が集まって大騒ぎして読んだ。 逢《あ》はぬ夜を隔つる中の衣手《ころもで》に重ねていとど身も沁《し》みよとや ただ白い紙へ無造作《....
源氏物語」より 著者:紫式部
ろんでしまった。 「包むめる名や洩《も》り出《い》でん引きかはしかくほころぶる中の衣に 明るみへ出ては困るでしょう」 と中将が言うと、 隠れなきものと....
源氏物語」より 著者:紫式部
なにげなしにあけて見ると、 あやなくも隔てけるかな夜を重ねさすがに馴《な》れし中の衣を と書いてあるようであった。源氏にそんな心のあることを紫の君は想像も....
源氏物語」より 著者:紫式部
どい実感で書いた手紙であるから、女へそれが響いていったものに違いない。御息所の旅中の衣服から、女房たちのまで、そのほかの旅の用具もりっぱな物をそろえた餞別《せん....
源氏物語」より 著者:紫式部
はあったが源氏は返事を書いた。 かたみにぞかふべかりける逢ふことの日数へだてん中の衣を というのである。 「せっかくよこしたのだから」 と言いながらそれ....
源氏物語」より 著者:紫式部
くてならない」 と言うと、 いろいろに身のうきほどの知らるるはいかに染めける中の衣ぞ と雲井の雁が言ったか言わぬに、もう大臣が家の中にはいって来たので、....
源氏物語」より 著者:紫式部
の誤解していらっしゃることについて何と申し上げていいかわかりません。 見なれぬる中の衣と頼みしをかばかりにてやかけ離れなん」 と言って泣いていた。その様子の限....
食道楽」より 著者:村井弦斎
ヤア大変だ、満さん来てくっせいよ。わしの箪笥《たんす》の抽斗《ひきだし》が明いて中の衣服《きもの》が皆んな失《な》くなったよ」と俄《にわ》かに騒いで「ぬすっとう....
春心」より 著者:田中貢太郎
す」 「立ってもいてもたまらないと云うものだよ、どう」 「へえ」 お高は引抽の中の衣服を手早く胡蓙の上へ出して、傍の渋紙包を解き、その中の畳んで二つにしてある....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
ちゃんと、台所わきの行燈部屋に、乱れ箱が出ている。雲霧は、手ッ取り早く、その中の衣類を身につけた。 きゅッ、と博多帯を鳴らしながら、 「ゆうべ、使いに行っ....