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「中の間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中の間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
うに動かしながら、怪しげな踊を踊っていた。新田は俊助をひっぱって、遠慮なくその連中の間へはいって行ったが、やがて膝を抱いて坐っていた、一人の老人をつかまえると、....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
にか積もりんしたね」 座敷の櫺子窓《れんじまど》をあけて外を眺めていた綾鶴が、中の間《ま》の方へ向いて声をかけた。ちっとの間に雪がたくさん積もったから、ちょい....
M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
まいの小競り合いがいつでも行われています。 今申した杉浦という男も、こうした連中の間に伍して、時々は特種を取ろうという男ですから、図々しく押しが太いのはもちろ....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
が、検挙られてしまった。調べ室は金モールの眩しい主脳警官と、人相のよくない刑事連中の間に、京ぼんを挿んで場面はいとも緊張している。 岩田京四郎はなかなか白状し....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
かに別れていた。 中央に在るのは主屋らしい。香具師は夫れから観察した。 「うん中の間が九六の間取だ。金生水の相生で、万福集川諸願成就繁昌息災を狙ったものらしい....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
化銀杏 泉鏡花 貸したる二階は二間にして六畳と四畳半、別に五畳余りの物置ありて、月一円の極なり。家主は下の中の間の六畳と、奥の五畳との二間に住居いて、店は八畳ばかり板の間になりおれども、....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
してどぎまぎした。そして、その行為のために自分がどんなことになったか――どんな連中の間にいてどんな危険に取巻かれているか――ということを思うと、面目なくて先生に....
村芝居」より 著者:井上紅梅
んだ。雙喜は前の棹を引抜き、阿發は後ろの棹を抜いた。年弱の子供は皆わたしに附いて中の間に坐った。年上の子供は船尾に聚っていた。母親は送って来て「気をつけておいで....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
なりたいという目立った意向があって、そのために、酒に運のよかった連中や気さくな連中の間ではとりわけ、剽軽に抱き合ったり、健康を祝して飲んだり、握手をしたり、さて....
唇草」より 著者:岡本かの子
指先になまなましい柔かいものが触た。彼女は、「きゃっ!」といって莢を抛り出した。中の間との仕切りの襖が開いて、縞のブラウズを着た千代重が悠然と出て来た。手にはゴ....
父の怪談」より 著者:岡本綺堂
説明してくれた。 石の落ちるのは、どの座敷ときまったことはなかったが、玄関から中の間につづいて、十二畳と八畳の書院がある。怪しい石はこの書院に落ちる場合が多か....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の、奥八畳は、絵の具皿、筆おき、刷毛、毛氈の類でほとんど一杯。で、茶の間らしい、中の間の真中に、卓子台を据えて、いま、まだ焼海苔の皿ばかり。 三巴に並んだ座蒲....
法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
によって知りえたところで、おそらく同君の発見に係るものと思われるが、今の金堂正面中の間の左右の柱礎は、明らかにもと円形造り出しの柱座があった物で、それを今の金堂....
快走」より 著者:岡本かの子
中の間で道子は弟の準二の正月着物を縫い終って、今度は兄の陸郎の分を縫いかけていた....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
歌者の座に朝日がさし込み、段々建て添えられる寺院が 十字形に広がり、信者のいる中の間が延び、高まり、 歓喜する信者の群が、 熱心に立派な門から籠み入って、 天....