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中ぶらりん
「中ぶらりん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中ぶらりんの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
小野さんは姿よく着こなした衣裳《いしょう》を、見栄《みばえ》のせぬ廊下の片隅に、
中ぶらりんに落ちつけて、光る眼鏡を斜めに、突き当りを眺めている。何が出てくるのか....
「門」より 著者:夏目漱石
よく考えるさ。おれも考えて置こう」と宗助が云った。 弟は彼の性質として、そんな
中ぶらりんの姿は嫌《きらい》である、学校へ出ても落ちついて稽古《けいこ》もできず....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
く葛藤《もつ》れた縁《えにし》の糸のすじりもじった間柄、海へも附かず河へも附かぬ
中ぶらりん、月下翁《むすぶのかみ》の悪戯《たわむれ》か、それにしても余程風変りな....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
い。 「君なんかはまだ若くて元気がいいからいい、うんとしっかりやりたまえ。何でも
中ぶらりんでは駄目だ。うんとおとなしくしてすっかり役人どもの信用を得てしまうか。....
「十月の文芸時評」より 著者:宮本百合子
守ることそのものを生活の目的のようにして生きている梅雄に友人団が「ただ君の情熱は
中ぶらりんで方向がないね」といい、作者はその評言の社会的な正当性を認めている。丁....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まあこのくらいの女なら俺の身上《しんじょう》では大した不足もあるめえ。猿橋の裏を
中ぶらりんで見せられたり、笹子峠から一足飛びに地獄の道行なんぞは、あんまり洒落《....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うしがねえやくざ野郎の成れの果て――と言いてえが、まだ果てまではちっと間のある、
中ぶらりんのケチな野郎でござんすが、なにぶんお見知り置かれまして」 変な言いぶ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
。その幕が降りきらないうちに観客はあくびをして立ち上った。幕は中途半端なところで
中ぶらりんに垂れていた。 〈昭和二十五年〉....
「芽生」より 著者:宮本百合子
のわないものをすべて十五六と云って居る 十五六の時の娘達や男の子のととのわない
中ぶらりんの姿をたとえたものである。 私は妙な子で自分の十五六なのを忘れて、十....
「千世子」より 著者:宮本百合子
下すなしゃれをくり返しくり返して「オーヤオヤ」と思わせる人達ばかりの様に見えた。
中ぶらりんのお医者様特有なフニャフニャな様子をどの人もどの人ももって、長いひげを....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
て、本は益※好きという身勝手なものから大事というものになってゆくのでしょう。私は
中ぶらりんのところね、だからヒステリーの作用を蒙りもいたします。 朝日年鑑、こ....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
も考えられる。 わたしとしては、田島さんとのことばかりでなく、すべての縁談を、
中ぶらりんにしておきたかったのだ。どうせ、一つを拒絶すれば、次のが現われるにきま....