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中り
「中り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を待って、七兵衛はそっと声をかけた。 「ごめんなさい」 「誰ですえ」と、女房は八
中りの尖った声で答えた。 「勘次さんはお家ですかえ」 空駕籠を片寄せてある土間....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
甚八郎、山県討死の処に乗入れて敗残の兵を引上げしめようとしたが、弾丸一度に九つも
中り、脚と内冑を撃たれて果てた。ここに至って甲斐の武将勇卒概ね弾丸の犠牲となり終....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
殺したということの解らないような、そういう機械が欲しいのだな?」 「金的だよ、大
中り」女の笑う声がした。「お前さんには出来る筈だ。人の心を見抜く機械、それを造っ....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
とも、たった五千メートルの距離から、静止せる巨艦を射撃して、二十門の砲手が、悉く
中り外れたとでも仰有るのかね。なんという拙劣な砲手ども揃いじゃろう」 「ああ、う....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
や、あと二三ヶ月で鎮るが、やがて台湾が日本のものになるなどと、一々申す事がみんな
中りまして、号外より前に整然と心得ているくらいは愚な事。ああ今頃は清軍の地雷火を....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
た。 周作は微笑を浮かべたが、 「どうだ、甚内、少しは解ったか」 「一つぐらい
中りはしませんかね?」 「道場は譲れぬよ、気の毒だがな」 「へえ、さようでござい....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
し空想を許されるなら、何者か紙帳の中で屠腹し、腸を掴み出し、投げ付けたのが紙帳へ
中り、それが蜒り、それが飛び、瞬時にして描出したような模様であった。一所にベット....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
そ、かかる旅舎などへ先生ほどのお方を、お招きすること出来ました次第、その術策|的
中りましてござるよ。ハッハッハッ」と笑ったが、それは爽かな笑いでもあった。 と....
「鼠」より 著者:岡本綺堂
「それではお宿へのおみやげ話もたくさん出来ましたろう。」 「風邪も引かず、水|
中りもせず、名所も見物し、名物も食べて、こうして帰って来られたのは、まったくお伊....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
ない、隠し持ったるピストルを取り出して、つづけて二発撃つ。その一発は中二の脇腹に
中りて倒れる。男は落ちたる金袋を拾いて逃げようとする時、あやまって瓶の穴に落ちて....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
えたまま身を震わして、しがみつくようにするトタンに、かちりと音して、爪先へ冷りと
中り、総身に針を刺されたように慄と寒気を覚えたのを、と見ると一|挺の剃刀であった....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
ているのですが……。」 斯う云いながら、巡査は無闇に松明を振廻すと、火の光は偶
中りに岩蔭へ落ちて、燦たる金色の星の如きものが暗に浮んだ。が、あれと云う間に又|....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ば、その動物を殺したところが間に合わない。
なぜならばもしほかのところへ弾丸が
中りますと、その動物は自分の呼吸のあるうちに、その頭の血角をば四辺の岩へ叩き付け....
「活人形」より 著者:泉鏡花
医師の診察せるに、こは全く病気のために死したるにあらで、何にかあるらん劇しき毒に
中りたるなりとありけるにぞ、棄置き難しと警官がとりあえず招寄せたる探偵はこの泰助....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
ば、神新に気更に張る。 されば、更るがわる鈎を挙げて、餌を更め、無心にして唯|
中りを待ちけるに、一時間許り経ける時、果して鈴に響く。直ちに、綸を指して試むれば....