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「中低〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中低の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
トリレミスとは、古ローマで細長い船の両側に長中短の櫓を三段に並べ、多くの漕手が高中低の三列に腰掛けて漕いだもので、わが邦の蜈蚣船(『常山紀談』続帝国文庫本三九八....
反抗」より 著者:豊島与志雄
注いだ。その盛り上った水面に、明るい障子が小さく映っていて、潮が引くように徐々と中低くなっていった。 噴霧筒の水滴を受くる下のコップが一杯になっても、周平はま....
鴨猟」より 著者:豊島与志雄
一点、鴨の姿が見えだしてくる。鴨に交って、或は離れて、雁もいる、鵜もいる。鴎が空中低く飛んでいる。 鴨の群へなるべく近くまで寄せるのが、運転の技巧である。寄せ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
部分はほとんど昔のままだった。大多数の街路は、今日では中高となっているが、当時は中低の道にすぎなかった。街路や四つ辻《つじ》の勾配《こうばい》が終わってる低部に....
貞操問答」より 著者:菊池寛
ろうとすると、 「いや、どうぞそのままで……」と、気持のいい潤いのある、男らしい中低音がそれをさえぎった。 でも、新子は立ち上って、意味もない微笑と笑顔で、初....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
。幕が上がって幽霊船長が、七年ぶりでザントヴィーケの港に上陸するとき、はじめその中低音が、この歌を唱うんだ。つまり、僕が云うのはワグネルの歌劇さ――『|さまよえ....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
ここいらへんになりますと上の上でございます」 三昧堂は乗り出して簾屏風の蔭から中低の顔をのぞかせて金歯をチラチラ弁じたてた。 師匠は額縁を取り出してコツコツ....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
処はない。額は円《まる》く、眉《まゆ》も薄く眼も細く、横から見ると随分しゃくれた中低《なかびく》の顔であるが、富士額《ふじびたい》の生際《はえぎわ》が鬘《かつら....