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中和
「中和〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中和の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
現実の提立《ていりつ》を無視し、実生活に大胆なる括弧《かっこ》を施し、超然として
中和の空気を吸いながら、無目的なまた無関心な自律的遊戯をしている。一言にしていえ....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
こしら》えていた。 いくら探してみてもこれ以上の慾が自分に起りそうもない、妙に
中和されてしまった自分を発見して柚木は心寒くなった。 これは、自分等の年頃の青....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
したが、破壊を免れることが出来た。それから艦体の外部に張りめぐらされた網状の電界
中和装置は、怪人集団の城塞から発射した嵐のような原子弾をよく捕捉し、
中和して無害....
「食魔」より 著者:岡本かの子
ない世の底に身を置く泰らかさと現実離れのした高貴性に魂を提げられる思いとが一つに
中和していた。これを侘びとでもいうのかしらんと鼈四郎は考える。この巷路を通り抜け....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
々に浮き出して来た。 室内の人工の灯りが徐々に流れ込んで、部屋を浸す暁の光線と
中和すると、妙に精の抜けた白茶けた超現実の世界に器物や光景を彩り、人々は影を失っ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
鎮子は露骨に嘲弄の色を泛べた。
「もし、それでいけなければ、青酸を零にしてしまう
中和剤の名を伺いましょうか。砂糖や漆喰では、単寧で沈降する塩基物を、茶といっしょ....
「火星探険」より 著者:海野十三
うや》くマートンの右手があがった。と博士の肩がぶるぶると慄《ふる》えた。 「重力
中和機の全部。スイッチ入れろ」 「よいしょッ」 と、ぐぐぐぐッと地鳴りのような....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
、そんな従来から知れている毒瓦斯ではありません。そんな毒瓦斯は、吸着剤の活性炭と
中和剤の曹達石灰とを通せば遮られるし、ゴム衣ゴム手袋ゴム靴で結構避けられます。そ....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
地異のたぐいで、二度とめぐり合う性質のものじゃない。これこそ彼女らのジロリズムを
中和せしめる機会というものであるから、私自身がタスキをかけて女房よりも忙しくお勝....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
、なぜ兇行の都度に、柔皮花の香りが消えてしまうかということだ。僕はそれが、何かの
中和現象じゃないかと考えたのよ。あの室に罩もっていて、覚られてはならぬ香りがある....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
ました」 こう篠姫は微笑しながら云った。 「きわどい所でござりましたな、私も日
中和田兵庫殿に、お目にかかる事出来ませなんだならば『養由基』のお譲りを受けるとい....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
の裾を膝まで捲る。心得のある老紳士はそっと彼女に背を向け中庭の薄明が室内の電燈と
中和する水色の窓硝子に疲れた眼を休ませる。客商売である帳場の者はもちろんこういう....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
者位牌事 三家故也。 とあるのが最も面白い説と思われる。この書は寛永十一年に袋
中和尚の著わしたものである。和尚はその名を良定と云い、京都三条畷の檀王法林寺の開....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
と非人との間にそうハッキリした区別はなく、通じては三家者とも云ったのであった。袋
中和尚の「泥※の道」には、いわゆるエタも非人も、獣医すなわち伯楽も、関守、渡し守....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
代の『※嚢鈔』著者によって、当時エタと呼ばれたことが知られ、坂の者は徳川初期の袋
中和尚によって、またエタの徒であったことが明らかであってみれば、山城梅津の産所が....