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「中啓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中啓の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
人形が、左手《ゆんで》を小さ刀《がたな》の柄《つか》にかけながら、右手《めて》の中啓《ちゅうけい》で、与六をさしまねいで、こう云う事を云いつける。――「天下治ま....
捨児」より 著者:芥川竜之介
述べ出すのです。 「それがややしばらく続いた後《のち》、和尚は朱骨《しゅぼね》の中啓《ちゅうけい》を挙げて、女の言葉を遮《さえぎ》りながら、まずこの子を捨てた訳....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
この名薬の製造主を、記録によって見付けるのでござる」 「おお」 と叫ぶと謙信は中啓をトンと床へ突いた。 「卜伝! そちにそれが解るか?」 「殿」 と卜伝は声....
元禄十三年」より 著者:林不忘
に差しあげられて、頭のうえを高く、空に泳いでいた。 烏帽子《えぼし》がまがり、中啓《ちゅうけい》が、飛んだ。と、吉良は、美濃守に受けとめられて、すうっと、労《....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
輪が持って逃げてしまった。 「小癪《こしゃく》な!」 姉小路少将は、持っていた中啓《ちゅうけい》で受け止めたけれども、それは何の効《ききめ》もない、横鬢《よこ....
社会時評」より 著者:戸坂潤
件である。之を押し止めた僧侶達と押し合いへし合いしている間に、ある役員は句仏氏の中啓で頭を三遍もたたかれたかと見ている内に、句仏氏はコロリと転んで了ったという話....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
かま》、或いは半素袍《はんすおう》角頭巾《かくずきん》、折烏帽子《おりえぼし》に中啓《ちゅうけい》、さながら能と神楽《かぐら》の衣裳屋が引越しをはじめたようにゆ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
と結び、直垂《ひたたれ》を着て、袴をつけ、小刀は差して太刀《たち》は佩《は》き、中啓様《ちゅうけいよう》のものを手に持って、この道場へ走り込むと、さしもの猛者《....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でございますか――服装はたしか狩衣に袴を穿いて、お定まりの大小二腰、そして手には中啓を持って居りました……。 婚礼の式のことは、それは何卒おきき下さらないで…....
多神教」より 著者:泉鏡花
俳優。一ツ目小僧の童男童女。村の児五、六人。 禰宜 (略装にて)いや、これこれ(中啓を挙げて、二十五座の一連に呼掛く)大分日もかげって参った。いずれも一休みさっ....
京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
していたのでございました。 ※鐘にうらみは数々ござる……。 この唄とともに、中啓の舞が初まるのでございますが、さすがに、名優の至芸と申すのでございましょうか....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
円問題 団十郎の大阪乗込み――桟敷十三円八十銭――大阪側の反感――一種の弊害――中啓一本三円五十銭 その頃の戯曲界 坪内博士の新史劇――戯曲は雑誌でもお断わり―....
私本太平記」より 著者:吉川英治
悪いといっては、琵琶の撥で打たれ、節語りに、東国|訛りが抜けぬといっては、お手の中啓(半開きの扇)を、この盲の顔へ抛つけられたり……」 「オオ、そのように、おき....