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中屋敷
「中屋敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中屋敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る長州藩邸はみな取り壊しになったが、去年の八月、麻布|竜土町《りゅうどちょう》の
中屋敷を取り壊した時には、俄かに大風が吹き出したとか、奥殿から大きい蝙蝠《こうも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
半七老人は万延版の江戸絵図をひろげて見せてくれた。市ヶ谷の月桂寺の西、尾州家の
中屋敷の下におびとりの池という、かなり大きそうな池が水色に染められてあった。 「....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
せんから、權六も袴を付け、大小を差し、紺足袋福草履でお前駆で見廻って歩きます、お
中屋敷は小梅で、此処へお出でのおりも、未だお部屋住ゆえ大したお供ではございません....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
まった。言って見れば、ここは広大な城下町である。大小の武家屋敷、すなわち上屋敷、
中屋敷、下屋敷、御用屋敷、小屋敷、百人組その他の組々の住宅など、皆大城を中心にし....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
中には、紀州屋敷のうわさなどを残して行くものもある。そのうわさによると、上屋敷、
中屋敷、下屋敷から、小屋敷その他まで、江戸の市中に散在する紀州屋敷だけでも大小お....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
に任せて種々の評判を致している中に、一人の男が申しますは 「あの酔漢は丸山本妙寺
中屋敷に住む人で、元は小出様の御家来であったが、身持が悪く、酒色に耽り、折々は抜....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
六 七兵衛がここで姪と言うたのはお松のことであります。お松はこの時分、徳島藩の
中屋敷へ奉公をしておりました。徳島藩の
中屋敷は薩州の邸とは塀一つを隔てたところに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ません。 それをよそにして、矢の倉の河岸《かし》、本多|隠岐守《おきのかみ》の
中屋敷の塀の外に立っているのは、例の頭巾を被った机竜之助であります。机竜之助は竹....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
がら海陸二百五十里を来て江戸でこの世に出たのである。 大名の屋敷はその頃上屋敷
中屋敷下屋敷と三ヶ所に分って構えたもので、私の君侯の上屋敷は芝|愛宕下《あたごし....
「池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
部屋様も遂にこの邸に居堪れず、浅草並木辺の実家へ一先お引移りという始末。この事、
中屋敷下屋敷へも遍く聞え渡ったので、血気の若侍共は我れその変化の正体を見届けて、....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ん、ふんとそれを聞き流している。全くもってふしぎな関係である。 大名の上屋敷、
中屋敷、合せて五百六十、これに最少四人二分を乗じただけの人数が、顎十郎の手足のよ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
うむ、いいことがある」 ちょうど真向いが、石川淡路守《いしかわあわじのかみ》の
中屋敷《なかやしき》、顎十郎は源氏塀《げんじべい》の格子《こうし》窓の下へ走って....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
》の布置《ふち》、幽邃《ゆうすい》をきわめる名園がある。 北どなり、水戸さまの
中屋敷にむいた弥生町《やよいちょう》がわの通用門から、てんでに丼《どんぶり》や土....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
。「半時ほど前だから卯の上刻だ、親分も知ってなさるだろうが采女《うねめ》の馬場の
中屋敷ね、あすこの西尾様お長屋の普請場へ面《つら》出しすべえとこちとら早出だ、す....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
と思い立った葬式彦兵衛が、愛玩の屑籠を背にして金杉三丁目を戸田|采女《うねめ》の
中屋敷の横へかかったのは、八丁堀を日の出に発った故か、まだ竈《かまど》の煙が薄紫....