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「中年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
姿は膝の上まで。 36 このカッフェの外部。夫婦らしい中年の男女《なんにょ》が二人|硝子《ガラス》戸の中へはいって行く。女はマントルを....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
した。円卓《テエブル》のまわりを囲んでいるのは同じ学校の寄宿舎にいた、我々六人の中年者《ちゅうねんもの》である。場所は日比谷《ひびや》の陶陶亭《とうとうてい》の....
路上」より 著者:芥川竜之介
ふう》をした。 金屏風《きんびょうぶ》を立て廻した演壇へは、まずフロックを着た中年の紳士が現れて、額《ひたい》に垂れかかる髪をかき上げながら、撫でるように柔《....
或る女」より 著者:有島武郎
稲妻《いなずま》のように鋭く目を走らしたが、左側の中央近く新聞を見入った、やせた中年の男に視線がとまると、はっと立ちすくむほど驚いた。しかしその驚きはまたたく暇....
或る女」より 著者:有島武郎
持たせていってやると、けさ来たのとは違う、横浜生まれらしい、悪《わる》ずれのした中年の女中は、始めて縁側から立ち上がって小めんどうそうに葉子を畳廊下一つを隔てた....
高野聖」より 著者:泉鏡花
解《うちと》けて幼《おさな》らしくねだった。 すると上人は頷いて、私《わし》は中年から仰向けに枕に就かぬのが癖《くせ》で、寝るにもこのままではあるけれども目は....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
腕を、部厚な釜の蓋にちょっと載せたが、丸髷をがっくりさした、色の白い、歯を染めた中年増。この途端に颯と瞼を赤うしたが、竈の前を横ッちょに、かたかたと下駄の音で、....
女客」より 著者:泉鏡花
っきり描き出された、上り口の半身は、雲の絶間の青柳見るよう、髪も容もすっきりした中年増。 これはあるじの国許から、五ツになる男の児を伴うて、この度上京、しばら....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
が掟だと思って自由になったそうである。 宮奴が仰天した、馬顔の、痩せた、貧相な中年もので、かねて吶であった。 「従、従、従、従、従七位、七位様、何、何、何、何....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ろうか……お伽堂の店番を。 三 何、別に仔細はない。客引に使った中年増でもなければ、手軽な妾が世間体を繕っているのでもない。お伽堂というのは、こ....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
しにあけ、 「芳ちゃんだから話すんだよ。誰にも言っちゃ不可いよ。実は私の父親は、中年から少し気が違ったようになって、とうとうそれでおなくなりなすったがね、親のこ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
調子で言って、ほほと笑った。鉄漿を含んだ唇赤く、細面で鼻筋通った、引緊った顔立の中年増。年紀は二十八九、三十でもあろう、白地の手拭を姉さん被にしたのに額は隠れて....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
梅の精の次ぎに私が目をとめたのは、松の精で、男松は男の姿、女松は女の姿、どちらも中年者でございました。梅の精よりかも遥かに威厳があり、何所やらどっしりと、きかぬ....
取舵」より 著者:泉鏡花
、荒海を漕廻していた曲者なのだ。新潟から直江津ね、佐渡|辺は持場であッたそうだ。中年から風眼を病らッて、盲れたんだそうだが、別に貧乏というほどでもないのに、舟を....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
口から帰国後、マラリヤにかかったなどの関係上、爾後の健康は昔日の如くでなく、且つ中年の中耳炎は根本的に健康を破壊し、殊に満州事変当時は大半、横臥して執務した有様....