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中年者
「中年者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中年者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
した。円卓《テエブル》のまわりを囲んでいるのは同じ学校の寄宿舎にいた、我々六人の
中年者《ちゅうねんもの》である。場所は日比谷《ひびや》の陶陶亭《とうとうてい》の....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
やっぱり悪魔は笑っていたのだ。若しお由の死から国太郎との秘密が知れたが最後、深い
中年者の恋の遺恨で、どんな惨忍な復讐が加えられることであろう。 生きた心地も無....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
五の男と五十ぐらいの頭のはげた爺とが何かせっせと書いていた。助役らしい鬚の生えた
中年者と土地の勢力家らしい肥った百姓とがしきりに何か笑いながら話していたが、おり....
「縮図」より 著者:徳田秋声
。役員や待合の若い子息に、耳鼻|咽喉の医師、煙草屋の二男に酒屋の主人など、予備の
中年者も多かった。地廻りの不良も召集され、運転士も幾人か出て行った。その中で骨に....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
梅の精の次ぎに私が目をとめたのは、松の精で、男松は男の姿、女松は女の姿、どちらも
中年者でございました。梅の精よりかも遥かに威厳があり、何所やらどっしりと、きかぬ....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
着が残る。 上海で懇意にしていた無国籍者のことを、俺は思い出す。紅毛碧眼白肌の
中年者だったが、或る時、二人で飲んでいると、彼は突然声を挙げて泣きだした。俺は呆....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
なっても治らない。この甚八のところへ、ある日、千頭家から使いの二人の男が現れた。
中年者は安倍|地伯といって、津右衛門の寡婦千代の実弟。その連れの若い男は地伯の妻....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
心当りがない事。等々を答えた。 軈て十分もすると、先程の警官が、人の好さそうな
中年者の百姓を一人連れて来た。 大月の前へ立たされたその男は、まるで弁護士と検....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
す。 留吉さんは鋳造の大家山本安曇氏の弟で、中年で入店し、販売部で働いていた。
中年者はどこでも歓迎されるものでなく、当人としても中途からでは何をしても成功|覚....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ところがないのである。 小僧の不足に反して、二十歳より二十四五歳前後のいわゆる
中年者の口を求める者の数多いことは実に夥しい。一日新聞紙上に店員募集の広告をして....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
がしいたしません」 「うむ、お前か、うむ、島子か」 「はい」 と女が現われた。
中年者らしい女である。 廻廊を伝って寄って来た。 「はっきりご返辞してください....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
で、ボチャボチャやっている老人もあった。そうかと思うと熱い砂の上へ、腹這っている
中年者もあった。小舟に乗って漕ぎ出す者もあれば、小舟に乗って帰って来る者もあった....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
煩悩なので、近所の人が笑うほどであった。 ところがここにもう一人、藤九郎という
中年者が、ひどくお染を可愛がった。甲州生れの遊人で――本職は大工ではあったけれど....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
さんの直話――してしまい、彼はその時妹だという「ちょっとした女」――これは村の一
中年者の酒の上での表現――といっしょに、その一室きりない草葺家に暮していたのであ....
「鎖ペンを握って」より 著者:種田山頭火
十歳の峠から』とでも名付くべきでしたろう。若い人は大胆に若い恋を歌いたまえ。私ら
中年者は中年の恋を露骨に歌います。それにしてももう少し物足りませんね。老爺《おじ....