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「中座〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中座の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
んど物をいわなかった愛子は、この時も黙ったまま、多恨な柔和な目を大きく見開いて、中座をして行く古藤を美しくたしなめるようにじっと見返していた、それを葉子の鋭い視....
星座」より 著者:有島武郎
《よもぎちゃ》という香ばかり高くて味の悪い蓬の熱い浸液《しんえき》をすすりこんで中座した。 純次の部屋にあててある入口の側の独立した三畳の小屋にはいってほっと....
放浪」より 著者:織田作之助
なかった。人に訊くにも誰に訊いて良いか見当つかず、なんとなく心細い気持になった。中座の前で浮かぬ顔をして絵看板を見上げていると、活動の半額券を買わんかと男が寄っ....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
という邪推もあった。きのうの饗宴にもすねたような風をみせて、碌々に興も尽くさずに中座したということも、忠通としては面白くなかった。それらの事情が畳まっているとこ....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
んに情緒《じょうちょ》が出た。 新世界に二|軒《けん》、千日前に一軒、道頓堀に中座の向いと、相合橋東詰にそれぞれ一軒ずつある都合五軒の出雲屋の中でまむしのうま....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
野新一郎のいることに気がつくと、 「天野氏、貴殿にははなはだ済まぬが、ちょっと御中座を願えまいか」 と、いった。 新一郎は、顔色が変った。 「何故?」美しい....
仇討三態」より 著者:菊池寛
の者の幸太郎兄弟に対する賞賛が、ことごとく針のように、彼の胸に突き刺さった。が、中座することは、彼の利かぬ気が許さなかった。 夜の更けると共に、一座の客は減っ....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
の勝見が案内して来たのと、姪の百合子がお茶などを運んで来たきりでした」 「貴方が中座されたようなことはありませんか。又は画伯のことでもいいのですが」 「私は中座....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
張して譲らず、果しなく見えた。勝家の苦り切るのは当然である。秀吉この有様を見て、中座して別室に退き、香を薫じ、茶をたてて心静かに、形勢を観望した。しかし間もなく....
南地心中」より 著者:泉鏡花
だか容易ならん事が起った、と思って、……口惜しいが聞くんです。 実はね、昨夜、中座を見物した時、すぐ隣りの桟敷に居たんだよ、今の婦人は……」と頷くようにして初....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
に女房が産気づいたと言えないこともないものを、臨機縦横の気働きのない学芸だから、中座の申訳に困り、熱燗に舌をやきつつ、飲む酒も、ぐッぐと咽喉へ支えさしていたのが....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
私はぼうっとなってしまった。 弁天座、朝日座、角座……。そしてもう少し行くと、中座、浪花座と東より順に五座の、当時はゆっくりと仰ぎ見てたのしんだほど看板が見ら....
貞操問答」より 著者:菊池寛
準之助は部屋を出て行った。 だが、五分と経たない内に、帰って来た。 準之助の中座を、気にしていたらしい圭子は、 「ほんとうに、もう失礼いたしますわ。」と、い....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
て見さいな)――でね、畳の引合せへ箸を立てて突刺した蒲鉾を狙って踊っている。……中座だし、師匠家だし、台所口から帰る時、二度の吸ものの差図をしていなすった奥さん....
放浪」より 著者:織田作之助
らなかった。人に訊くにも誰に訊いて良いか見当つかず、何となく心細い気持になった。中座の前で浮かぬ顔をして絵看板を見上げていると、活動の半額券を買わんかと男が寄っ....