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「中指〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中指の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
うとしても抑えることができなかった。そしてハンケチを取りだす暇もないので、両方の中指を眼がしらのところにあてて、俯向《うつむ》いたままじっと涙腺を押えていた。 ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「まあ、」と飛んだ顔をして、斜めに取って見透した風情は、この夫人の艶なるだけ、中指の鼈甲の斑を、日影に透かした趣だったが、 「仕様がないわね。」と笑って、その....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
ました。兄は不思議な癖のもち主でございました。こういう風に左手の親指と、人差指と中指とをピッとひねり、そのあとで人差指と中指とを一緒に並べたまま、下唇の内側をこ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
にぎった。彼はそっと手を開いた。すると金貨は、てのひらの上にはのっていなかった。中指とくすり指との間にはさまっていた。これでは金貨の表が出たことにもならないし、....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
三、丈が二尺グライノ花瓶、口ニ拇指ヲ置キテ指ヲ中ニサシ入レテ花瓶ノ内側ヲサグリ、中指ガアタルトコロニ、小サク５０９８ト墨書シアリ。 というわけで、今度は、立派....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
で、頭を水に浸して、うなだれ悄れている。どれ、目を遣ろう――と仰有いますと、右の中指に嵌めておいで遊ばした、指環の紅い玉でございます。開いては虹に見えぬし、伏せ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
線を教えてくれるんですが、どうした因果か、ちっとも覚えられません。 人さしと、中指と、ちょっとの間を、一日に三度ずつ、一週間も鳴らしますから、近所隣も迷惑して....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
変だ。あ、痛い痛いと、左の手を握って、何ですか――印を結んだとかいいますように、中指を一本押立てていらっしゃるんです。……はじめは蜘蛛の巣かと思ったよ、とそうお....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
も懲りたことが有るんだからね、欺しッこなし。貢さん、なに血なもんかね、御覧よ。」中指のさきを口に含みて、やがて見せたる、血の色つきたり。 「紅さ。野衾でも何でも....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
。 と見ると、藤紫に白茶の帯して、白綾の衣紋を襲ねた、黒髪の艶かなるに、鼈甲の中指ばかり、ずぶりと通した気高き簾中。立花は品位に打たれて思わず頭が下ったのであ....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
ズキと身に応えた。 更めて、心着くと、ああ、夫人の像の片手が、手首から裂けて、中指、薬指が細々と、白く、蕋のように落ちていた。 この御慈愛なかりせば、一昨日....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
も内科も訳なしだ、お前さん方は弱い者｜苛めで儲けるんだ、などと大言を発する愛吉、中指のさきで耳の上を掻きながら大悄げになってその日もまた。 明石町へ通うこと五....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
どうも踊るような自分の手で。――覚悟をすると、婦は耳も白澄むばかり、髪も、櫛も、中指も、しんとするほど静です。 「誰だ！」 どころじゃない。大きな天井に届く老....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
からね。――ちょっと見たい事があるんです。」 片側川端の窓の燈は、お悦の鼈甲の中指をちらりと映しては、円髷を飛越して、川水に冷い不知火を散らす。が、屈んで、差....
「妖怪学」より 著者:井上円了
たびごとに、風を引きてくせのごとくなりたるには、男ならば、右の方の小指より薬指、中指、人差し指、大指と順にとり、その後、左の方も同じ次第に取るべし。女は、左の方....