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「中旬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中旬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
七 鼠小僧次郎太夫は、今年五月の上旬に召捕《めしと》られて、八月の中旬に獄門になった、評判の高い大賊《たいぞく》である。それが大名屋敷へばかり忍び....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ある機会で、予《よ》は下《しも》に掲げる二つの手紙を手に入れた。一つは本年二月中旬、もう一つは三月上旬、――警察署長の許へ、郵税|先払《さきばら》いで送られた....
忠義」より 著者:芥川竜之介
》の起る前兆が、後《のち》になって考えれば、幾つもあった。――第一に、その年三月中旬、品川|伊佐羅子《いさらご》の上屋敷《かみやしき》が、火事で焼けた。これは、....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
で、ト先《ま》ず懐中に及ぶ。 春は過ぎても、初夏《はつなつ》の日の長い、五月|中旬《なかば》、午頃《ひるごろ》の郵便局は閑《かん》なもの。受附にもどの口にも他....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ちょうど十日間ばかり、全ッきり人事不省で、驚きました。いつの間にか、もう、七月の中旬だそうで。」と瞑ったままで云う。 「宅では、東京の妹たちが、皆暑中休暇で帰っ....
絵本の春」より 著者:泉鏡花
て面影も、姿も、川も、たそがれに油を敷いたように目に映る。…… 大正…年…月の中旬、大雨の日の午の時頃から、その大川に洪水した。――水が軟に綺麗で、流が優しく....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
つ……とそう思って差覗いたほどであった。 旅のあわれを、お察しあれ。……五月の中旬と言うのに、いや、どうも寒かった。 あとで聞くと、東京でも袷一枚ではふるえ....
栃の実」より 著者:泉鏡花
山懐に抱かれた事はいうまでもなかろう。――武生は昔の府中である。 その年は八月中旬、近江、越前の国境に凄じい山嘯の洪水があって、いつも敦賀――其処から汽車が通....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
屋は泊の町へ引上げるくらい。賑いますのは花の時分、盛夏|三伏の頃、唯今はもう九月中旬、秋の初で、北国は早く涼風が立ますから、これが逗留の客と云う程の者もなく、二....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
父椿岳はこの祠堂に奉納額をあげましたが、今は遺っていないようです。 毎年三月の中旬に近い日に祭礼を催します。水商売の女性たちの参詣が盛んであるようですが、これ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
註解。 そのうちに、ファラデーに同情する人も出来て来た。一八一四年七月から九月中旬までゼネバに滞在していたが、デ・ラ・リーブはデビーの名声に眩まさるることなく....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
が曾て、逗子に居た時分その魔がさしたと云う事について、こう云う事がある、丁度秋の中旬だった、当時田舎屋を借りて、家内と婢女と三人で居たが、家主はつい裏の農夫であ....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
一昨日、哲学館において井上円了氏の演ぜし妖怪取り調べ報告の大要を聞くに、左のごとし。 昨年十一月中旬より、山梨県北都留郡(すなわち、いわゆる郡内)大目村、杉本永山氏の宅に一大怪....
西航日録」より 著者:井上円了
より三、四百年前の、欧州社会における宗教を見るがごとき観あり。 季節まさに五月中旬に入らんとするに、当地の気候なお寒く、夜中は寒暖計零度に下降し、朝来街上に結....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に攻撃を行ない敵に一大打撃を与えたけれども、永くベーメンに留まる事が出来ず、十月中旬シュレージエンに退却冬営に就いた。 しかるに墺軍は一部をもってライプチヒ方....