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「中欧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中欧の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蠅男」より 著者:海野十三
「ああ――」 これは主人の鴨下ドクトルの自慢の飾りでもあろうか、一世紀ほど前の中欧ドイツの名画によく見るような地味な、それでいてどことなく官能的な部屋飾りだ。....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
である。嘆きや悲しみさえも小唄にして、心の傷口を洗って呉れる。媚薬の痺れにも似た中欧の青深い、初夏の晴れた空に、夢のしたたりのように、あちこちに咲き迸るマロニエ....
道標」より 著者:宮本百合子
った。細雨にけむる新緑の道をゆっくり馬車で行きながら、モルタウ河にかけられている中欧らしい橋や城を観てゆくと、伸子は、たった一日たらずでこのこまやかな趣のある、....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
っている。 全体の仕立の好みからいうと米国風であるが、着こなしの感じからいえば中欧あたりの貴族の子弟のようにも思われる。伊太利辺の音楽師を見るような気持ちもす....
戦場」より 著者:夢野久作
あるが、今まで世界のどこにも発表されたことのない、珍らしいものである。 当時、中欧最強の新興国として、現在の日本と同じように、全世界の砲門を睨み返していた彼の....
それらの国々でも」より 著者:宮本百合子
ずれた。ロシアのツァーリズムの絶対主義政治、ドイツのカイゼルの軍国主義政治その他中欧諸国で皇国とか、国王とかは、急速により民主的な権力に交替した。その中で社会生....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
窓のあいだには、嘘言とあらゆる悪徳の余地のないほどスキイのように瘠せて平べったい中欧山岳地方の女地主と、星条旗とフウヴァの Talkie にだけは必ず脱帽する亜....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
せはいつから尽きようとはいたしませず、慈悲も憫れみもない親族どもは、私をカゴツ(中欧から北にかけて住む一種の賤民)の群れに売り渡してしまったのです。そうして、普....
生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
からである。 世界大戦。匈牙利は独逸に組して聯合軍に当る。鳩の胸のように平和な中欧の山国にも鋼鉄と鮮血の風が吹きまくる。国内上を下への騒動で、壮青年はすべて銃....
「黒死館殺人事件」序」より 著者:甲賀三郎
異の世界に引込んで行く。江戸川君のものを江戸時代の草双紙とすれば、小栗君のものは中欧中世紀の草双紙である。 兎に角、小栗虫太郎は不思議な作家である。彼の書くも....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、まことに自然のことだったのである。これは羅馬の文化がアルプスを北に越えてから、中欧の文化開明期に、地方語の歌のほかに羅典語の詩が書かれ、学者の間にはながく羅典....