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「中殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
めでた》く飭《かざ》った門あり、また暫く待って七宝で飾った宮殿を過ぎて極楽ごとき中殿に到る、六十ばかりの人微妙に身を荘《かざ》り出で来り、強いてかの男を微妙《い....
連環記」より 著者:幸田露伴
るよう思したまいたる時、文時もまた句を得て、 西の楼 月 落ちたり 花の間の曲、中殿 灯 残えんとす 竹の裏の声。 と、つらねた。天皇聞しめして、我こそ此題は作....
丹下左膳」より 著者:林不忘
れとも、丸い物――」 「これこれ、米の噂をしてくださるな。茶腹が鳴るワ」 「森越中殿《もりえっちゅうどの》、其許《そこもと》は御裕福でござろう、塩という財源をひ....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
?」とお幸は不審を打たずにはいられなかった。 「いや、庭内に稲荷の御祠があると女中殿から聴いて、ちょっとお参りの為に」 尼さんでも稲荷信心。これは為ぬ事とも云....
私本太平記」より 著者:吉川英治
っと、 「ともあれ、それに」 と、やや落着いて、夕べをさかいに、ひとまず諸卿は中殿(清涼殿)の昼ノ御座から西の渡殿を、休息のため、退がって行った。 やがて、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
な上わずッているのである。六位ノ蔵人や殿上の端たちで、それぞれが物蔭での目撃を、中殿の上達部へ、むらがり告げていたのであった。 すでに、上卿たちも、知ってはい....
私本太平記」より 著者:吉川英治
た。 彼女の影は暗がりで見る玉虫の妖しい光さながらに、やがて、みかどのおられる中殿のほうへサヤサヤ裳を曳いて行く風だった。そしてまもなくこう御座へおつたえして....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ひっきりなしの参内だった。――わけて千種忠顕は早々に出仕して、上卿の面々とともに中殿の御座へまかり出ていた。 「皇威にかかわります。勅使を立て、尊氏の意をただす....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
若き友忠利を失った沢庵の落莫は、想像に余りがある。彼は小出吉英に宛てて、 細川越中殿|不慮之御事、さても――無常変転、今不始事ながら、今程昔語に被為成候はんとは....
黒田如水」より 著者:吉川英治
もその為人の自ら仄かに酌めるような床しさと知性の光があった。 「えっ、あなたが竹中殿で。――おくれました。それがしは」 と、官兵衛もあわてて礼をむくいたが、秀....