中禅寺[語句情報] »
中禅寺
「中禅寺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中禅寺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
の曇った濁色の空とがまざまざと目にのこっている。
温《あたた》かき心
中禅寺から足尾の町へ行く路がまだ古河橋の所へ来ない所に、川に沿うた、あばら家の一....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
た。 夏の日は暑い。垣の鼓子花は凋れていた。(明治39・8) 日光の秋八月、
中禅寺をさして旧道をたどる。 紅い鳥が、青い樹間から不意に飛び出した。形は山鳩....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
絶壁がこの窪地の西を回っているのが眼下によく見える。男体山麓の噴火口は明媚幽邃の
中禅寺湖と変わっているがこの大噴火口はいつしか五穀実る数千町歩の田園とかわって村....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る。大沼の周囲八里、小沼を合せて十三里、昔は島の数が大小百四十余もあったと云う。
中禅寺の幽凄でもなく、霞が浦の淡蕩でもなく、大沼は要するに水を淡水にし松を楢白樺....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
けたい》の心あらば走り失《う》せてその家に座さず、殊に霊験ある事多し、これは往古
中禅寺に大なる鼠出て諸経を食い敗り害をなせし事ありしに、その鼠を追いたりしかば下....
「湯元の秋」より 著者:豊島与志雄
ただ私の方が、彼等よりいくらか温い肌をしているのみである。 戦場ヶ原の水は多く
中禅寺湖の方へ吸い取らるるので、多くの盆地に見るような湿気が少い。そして草は高く....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
だ。僕は毎年おなじ郷里へ帰るのもおもしろくないので、親しい友人と二人づれで日光の
中禅寺湖畔でひと夏を送ることにした。美智子は僕よりもひと足さきに、忘れもしない七....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
人の事を片時も忘れたことはありません。ふと沼田に主人の居る事を聞いてから、日光の
中禅寺の奥へ三里入ると温泉がありますから、商いながら参りましたが。其の頃は開けま....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
物好きと、富豪の強い贅沢心とからで、その慈悲心鳥を一度飼ってみたいと思い立って、
中禅寺にいる者に頼んでいろいろに猟らせたが、霊鳥といわれているこの鳥は声をきかせ....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
湯元の温泉に一夜を寛ぎ、翌|黎明爽昧の湯の湖を右に見て、戦場ヶ原の坂の上に出て、
中禅寺湖の方を展望すれば、景観は壮大である。 茫漠として広い青茅の原に突っ立っ....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
せんじがんぴの文末「せんじゅハ其意味不明ナリ」を取り消し、今これを「野州日光山ノ
中禅寺湖畔ナル千手崎ニ産スルヨリ云ヘリ」と訂正する。 片葉のアシ 世に片葉《カ....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
三俣山(千九百八十米、上州方面の称呼である。支脈東に延びて黒松岳、社山等を起し、
中禅寺湖の南を限る。)でも宿堂房山でも、黒木の繁っているのはよいとしても、その間....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
く考えて、室内旅行の夢を見ていたのである。 北の隅が松島で、南の隅が別府、東が
中禅寺湖で、西は瀬戸内海の因の島付近である。 彼は寝ながら、頭の中で松島から因....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
って人怪しいと思ったんですよ。あの日記で読むと大使は死ぬ日の夕方吉岡さんを連れて
中禅寺湖から日光へ歩いたんです。二人で山越しをしながら云々という処があったんです....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
分発の列車にて上野駅出発、九時二十七分日光着。馬返まで電車に乗り、午後二時三十分
中禅寺湖畔、三時五十分湯元。板屋に泊る。 日光の町から馬返へ行く途中、眉を圧し....