中秋[語句情報] » 中秋

「中秋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中秋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
も溢れ出し、せっかく、仕立て上げた種金魚の片魚を流してしまった。 同じく十年の中秋の豪雨は坪当り一石三斗で、この時もほとんど流しかけた。 そんなことで、次の....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
十日前後とおぼえている。四十歳ぐらいの主人がにこにこしながらはいって来て、今夜は中秋であるから皆さんを招待したいという。私たちは勿論承知して、今夜の宴に招かれる....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
先に坐を占めると、鬼眼はすぐに言った。 「あなたは大金持だが、惜しいことにはこの中秋の前後三日のうちに寿命が終る」 それを聞いて、商人はひどくおそれた。その以....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
。したがって人間の秋の顔は一年中のもっとも品位高い時ではあるまいかと思う。それは中秋の月の顔とも相通ずる点がある。 太陽がわれわれの頭上へ日々に近寄るというこ....
死者の書」より 著者:折口信夫
、姫の白い額の、故もなくひよめいた長い日の、後である。二上山の峰を包む雲の上に、中秋の日の爛熟した光りが、くるめき出したのである。雲は火となり、日は八尺の鏡と燃....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
されていない。したがって、この集にも神仙談は多く採らなかった。 昭和十年九月、古中秋無月の夕 岡本綺堂....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
ってしまうと彼は已に城内|行を決行した。 阿Qが再び未荘に現われた時はその年の中秋節が過ぎ去ったばかりの時だ。人々は皆おッたまげて、阿Qが帰って来たと言った。....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
ほかの人だったらどうだろう。こうしていられるか。 ある日のことである。おおかた中秋節の二三日前だったろうと思う。番頭さんはぶらりぶらりと帳〆めに掛り、黒板を取....
伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
上に舞い立ち渦巻くあわただしさと変った。だが、結局高い澄み切った青空の下で北欧の中秋の好晴の日は静粛な午後を保っていた。 彼は街を足駄で歩いて居た。堅く尖った....
貞操問答」より 著者:菊池寛
客転倒で、今度は新子がだまりこんでしまった。 前川は、ふと空を見上げた。昨夜が中秋であったという月夜空、雲がぐんぐんと動いていた。 「だって、どうなさるんです....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
四方もあったであろうか、そういう石の台の上へ、山家の秋景色を作ったもので、去年の中秋観月の夜に、私の所へまで届けられたが、山家の屋根は小判で葺いてあり、窓や戸ぼ....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
絵と素朴な詩とを織り込んで居る。景子のロンドンに於ける仮寓は此の丘の中に在った。中秋の或る快晴の日の午後、景子は友人の某大学英文科の助教授宮坂を案内して彼がしき....
はなしの話」より 著者:岡本綺堂
十日前後とおぼえている。四十歳ぐらいの主人がにこにこしながら這入って来て、今夜は中秋であるから皆さんを招待したいという。私たちは勿論承知して、今夜の宴に招かれる....
正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
捷の新年風景ならざるはない。 かゝる夜の月も見にけり野辺送り これは俳人去来が中秋名月の夜に、甥の柩を送った時の句である。私も叔父の野辺送りに、かかる新年の風....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
たれども、朝夕の南風はすでに秋冷を送り来たる。豪州はわが国と正反対にして、四月は中秋の期節なり。 夢ならぬ世にも夢かと思ふかな、卯月の末に秋風ぞふく 晩に至り....