中窪[語句情報] »
中窪
「中窪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中窪の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
ウェーヴを弾ね除けた額は、円くぽこんと盛上って、それから下は、大きな鼻を除いて、
中窪みに見えた。顎が張り過ぎるように目立った。いつもの美しい眼と唇は、定まらぬ考....
「古狢」より 著者:泉鏡花
、そのまま中仙道北陸道を負い通いて帰国した、と言伝えて、その負さりたもうた腹部の
中窪みな、御丈、丈余の地蔵尊を、古邸の門内に安置して、花筒に花、手水鉢に柄杓を備....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ようで、跨ぐと鐙の無いばかり。馬の背に立つ巌、狭く鋭く、踵から、爪先から、ずかり
中窪に削った断崖の、見下ろす麓の白浪に、揺落さるる思がある。 さて一方は長者園....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、夫人の前には再びやや急な石段が顕われた。軽く喘いで、それを上ると、小高い皿地の
中窪みに、垣も、折戸もない、破屋が一軒あった。 出た、山の端に松が一樹。幹のや....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
にしても天井が蒲鉾形に垂れ、それにしても四方の黒い壁が、太鼓の胴のそれのように、
中窪みに窪んでいるというのは、いったいどうしたことなのであろう? こういう構造は....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
女のいる川縁から、一丈ばかり下の方を流れていた。そうして、川縁から川までの崖は、
中窪みに窪んでい、その真下は岩組であった。 その岩組の間に挾まり、腰から下を水....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
の濃いのが咲いて、淡いのが草まじりに、はらはらと数に乱れる。 馬の沓形の畠やや
中窪なのが一面、青麦に菜を添え、紫雲英を畔に敷いている。……真向うは、この辺一帯....