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「中耳炎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中耳炎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
如是我聞」より 著者:太宰治
ある。 何処がうまいのだろう。ただ自惚れているだけではないか。風邪をひいたり、中耳炎を起したり、それが暗夜か。実に不可解であった。まるでこれは、れいの綴方教室....
光と風と夢」より 著者:中島敦
には歎願のように応える。血に塗《まみ》れているような自分を感じる。 ファニイの中耳炎。まだ痛むらしい。 大工の馬が※卵《けいらん》十四箇を踏みつぶした。昨夕....
刻々」より 著者:宮本百合子
であった。保護室には看護卒をしたというかっ払いが二人いて看守に、 「こりゃきっと中耳炎だね、あぶないですよ旦那放っといちゃ」 などと云い、今野自身も医者に見せろ....
小祝の一家」より 著者:宮本百合子
しているプロレタリア文化団体の関係でやられ、びんたをくわされたのが原因で、悪性の中耳炎になった。勉は脳膜炎をおこすほどになったとき警察から、施療の済生会病院へ入....
水仙」より 著者:太宰治
人から手紙をもらった。 ――耳が聞えなくなりました。悪いお酒をたくさん飲んで、中耳炎を起したのです。お医者に見せましたけれども、もう手遅れだそうです。薬缶のお....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
員。一九三二年の文化団体に対する弾圧当時、駒込署に検挙され、拷問のビンタのために中耳炎を起し危篤におちいった。のち、地下活動中過労のため結核になって中野療養所で....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
中の短篇が微《かすか》に記憶にのぼりました。漠然雰囲気として。ここの耳鼻は詩人が中耳炎の大手術をうけたから知って居ります。三二年の七月末ごろ、急によばれて行って....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
いたのです。浜子は新次が泣けば、かならずそれを私のせいにしました。それで、新次が中耳炎になって一日じゅう泣いていた時など、浜子の眼から逃げ廻るようにしていた私は....
生前身後の事」より 著者:中里介山
そのうちに、沢田があの通り若くして斃《たお》れることになってしまった、病名は中耳炎ということであったが、なあに中耳炎のことがあるものか、ああいう無理の行き方....
西荻随筆」より 著者:坂口安吾
し、旅行先で病臥し、帰京後も、かぜが治らず、病臥をつゞけ、あんまりハナをかんで、中耳炎気味で、日々苦しく、まったく外出したことがない。だから、前後不覚のうちに日....
競漕」より 著者:久米正雄
はほんとによく寝たぞ」と言った。後に聞いたところによると彼はその夜再発しかかった中耳炎に悩まされて、ろくろく眠れなかったそうである。けれども士気の沮喪を慮って彼....
耳の日記」より 著者:宮城道雄
耳で聞いた瞬間、面白いなと思った。 今年の春私は宇都宮へ演奏にいって急に肝炎と中耳炎を患って旅先で寝ていると聖路加病院の畑先生が東京から駈けつけて、今来ました....
雪の一日」より 著者:岡本綺堂
薄く散りかかっているのも、何となく春の雪らしい風情をみせていた。 私はこのごろ中耳炎にかかって、毎日医師通いをしているのであるが、何分にも雪が烈しいのと、少し....
俗臭」より 著者:織田作之助
。春松の嫁は、正月産れの赤ん坊を抱いていた。その赤ん坊の耳に綿がつめてあるのを、中耳炎だろうと、政江は観察した。千満子も列席した。これは人々の眼を引いた。千恵造....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
始めようとしたとき、流感にかかり中止。その後、再び着手しようとすると今度は猛烈な中耳炎に冒されて約半歳の間、陸軍軍医学校に入院し、遂に目的を達せずして終ったので....