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中肉中背
「中肉中背〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中肉中背の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
とをいってはならぬ! その者はどのような人相いたしているやつじゃ」 「四十年配の
中肉中背で、左手の小指が一本ないやつじゃそうにござります」 「それだけわかってい....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
いました。随分若こうござんしたよ。今見たいにこんなにデクデク肥っちゃいませんが、
中肉中背という奴で頬っぺたも赤くて、桜の蕾かなんぞのように少しふくらんでいました....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
頃(時に余が年二十三)余は巴里府プリンス街に下宿し居たるが余が借れる間の隣の室に
中肉中背にて髭髯を小綺麗に剃附て容貌にも別に癖の無き一人の下宿人あり、宿の者|等....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
物など、宣教師らしい好みで飾られていた。 やがて、ノッシ/\と現われて来たのは
中肉中背ではあるが、褞袍姿の見るからに頑丈そうな毬栗頭の入道で、色飽くまで黒く、....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
案内して通しました男は、年の頃五十一二で、色の白い鼻準の高い、眼の力んだ丸顔で、
中肉中背、衣服は糸織藍万の袷に、琉球紬の下着を袷重ねにして、茶献上の帯で、小紋の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
二重《はぶたえ》の紋附を着て、髪は五分|月代《さかやき》程度に生えて、色の白い、
中肉中背の二十歳《はたち》を幾つも出まいと思われる美男でした。それが着物は引裂け....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
十歳の青年であった。そのころの彼はむしろ非常な美貌の持ち主であった。すらりとした
中肉中背で、黒みがかった亜麻色の髪に、輪郭の正しい、しかもこころもち長めの卵なり....
「蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
容易には食いきれない。これを、驚くことには二つも平らげた女がいる。 京子はまあ
中肉中背だが、光子はそれより少し背が低く痩せている。鼻がつんと高く、眼に鋭い光り....
「旅だち」より 著者:豊島与志雄
そうでした。嘗て胃腸を少しく病んだことがあるが、現在は全く健康だとのことでした。
中肉中背で、色は白い方で、顔立は美男子型だとのことでした。酒や煙草、その他の趣味....
「白蛾」より 著者:豊島与志雄
女も同じ年頃でした。普通の瓜実顔にすっきり伸びた頸筋、皮膚は薄くて滑かそうで体は
中肉中背といったところでした。ただ、みごとな丸みを持った眉とくっきり長く切れた眼....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
談半分にいっているのであろうが、彼はたしかにあるタイプのハンサム・ボーイだった。
中肉中背、やや整いすぎて気むずかしそうに見える顔立ちではあったが、眼が向き合えば....
「熊狩名人」より 著者:佐藤垢石
それを追って追って、追い抜くのである。 だが上原君は獰猛な面構えは持っていない
中肉中背で、愛嬌のある黒い丸い顔の持ち主、小さなくりくりした丸い眼がまことに可愛....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
そこで給仕はドアのところへいき、ドアを開けた。ドアの外には古いカイゼル服を着て、
中肉中背の男が立っていた。その外見からいうとほんとうは機関の仕事に適してはいなか....
「女強盗」より 著者:菊池寛
、そこで盗品をわけ合って、この男にも麻袋一枚|呉れた。その強盗の首領株と云うのは
中肉中背の優美な男で年は二十四、五らしい。胴腹巻をして、左右の手にはこてをして長....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
学があるに違いない、したがって字も上手だろうとの至極明快な三段論法なのだ。親分は
中肉中背、眼光は鋭く馬賊の頭目みたいな男。赤裏の黒いマントなど羽織って、えらく威....