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中衆
「中衆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中衆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
江戸の邸へ向けて大砲を運ぶことも、その日までなかったことだ。 間もなく尾張の家
中衆は見えなかった。しかし、不思議な沈黙が残った。その沈黙は、何が江戸の方に起こ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ようにして、歓呼の声を揚げて行った屋敷方の人々だ。それらの御隠居、奥方、若様、女
中衆なぞが江戸をにぎわそうとして、もう一度この都会に帰り来る日のあるか、どうかは....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
と思うものもなかった。その慶喜が軍艦で江戸の方へ去ったと聞いた時にすら、各藩の家
中衆はまだまだ心を許していた。日本の国運循環して、昨日の将軍は実に今日の逆賊であ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
い(植松|菖助、木曾福島旧関所番)は、お前、維新間ぎわのごたごたの中でさ、他の家
中衆から名古屋臭いとにらまれて、あの福島の祭りの晩に斬られた武士さ。世の中も暗か....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に満足せしめたようでありましたが、やや小声になって、 「それにねお松や、お前が女
中衆のうちでいちばん年も若いしするから、何でもまず殿様を丸めてしまわなくては……....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ればまた生じて不断苦しみを受く、法行竜王の住所は七宝の城郭七宝の色光あり、諸池水
中衆花具足し、最上の飲食《おんじき》もて常に快楽し、妙衣厳飾|念《おも》うところ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
よ。奥の方で少い婦人の声がしたもの、空家でないのは分ってるが、」 「そうかね、女
中衆も二人ばッかいるだから、」 「その女
中衆についてさ。私がね、今|彼処の横手を....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
は足りる、と何となく思ってでもおりましたせいか、そのどうも水を汲む音が、馴れた女
中衆でありそうに思われました。 ト台所の方を、どうやら嫋娜とした、脊の高い御婦....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
もやはり三条西家奉公人であったらしく、延徳二年その亡父の十七回忌に当ったので、家
中衆が斎食の儲をした記事が見える。延徳三年の春からして、この中沢は年千疋の給金に....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
で二里八丁、いくらでも宜しゅうございます、空荷で歩くと却って寒くて堪りません、女
中衆一人ぐらい何の空籠より楽でござんす、ねえ旦那、乗って下せえな」 文「いや、....
「怪しの者」より 著者:国枝史郎
ところが、お台所口から射し出している燈の光で、その男の地に倒れている姿が、女
中衆や下男衆に見えたとみえて、飛び出して来て、 「可哀そうに」 「行き倒れだね」....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ません。 八「はせな、身体が痺れて歩けねい、立す事が出来ねい、ホリャ困っさな、女
中衆/\」 と少しも舌が※りません。 女「何うかなさいましたか」 八「今ほこに....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
番頭は、手を揉んで、御辞儀した。
「相宿とは?」
「この御座敷へ、もう一人、御女
中衆をお泊め願いたいので、へい」
母娘《おやこ》は、顔を見合せた。
「品のいい....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
方様へお仕え申して居ります、表使のお方とやらで、三十くらいの袖ノ|井様と申すお女
中衆と、鴎硯と申されるお坊主衆とが一しょでございました」 「その二人は、何だって....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
いて伺いますと、先生、吃驚しましたぜ。 中庭でもってきゃっきゃっという騒ぎ、女
中衆が三四人、池の周囲を駆けてるんで、鬼ごッこがはじまってるか、深川だって呑気な....