中農[語句情報] » 中農

「中農〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中農の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
おとよさんが隣に嫁入ったについては例の媒妁の虚偽に誤られた。おとよさんの里は中農以上の家であるに隣はほとんど小作人同様である。それに清六があまり怜悧でなく丹....
簡略自伝」より 著者:佐左木俊郎
明治三十三年(1900)宮城県|岩出山町|在の中農の家に生まる。当時既にこの層の没落は、全農民階級中最も甚しく、私の家もまたそ....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
も高く、堆くなって、その隙間には湖水のように澄徹した碧空が、一筋横に入っている、中農鳥とおぼしき一峰を超えると、また一峰がある、日が昇るに従って、雲や霧は、岩と....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
秩序の維持に於て最も中堅的で、模範的で、従って農村を適宜に代表するものは、各種の中農層又は農村中間層に他ならない。中農層乃至農村中間層こそ、だから皆兵国民の代表....
辞典」より 著者:戸坂潤
革へのエネルギーが横溢しているような国に於て、各種の社会民主主義者の認容の下に、中農・小商人・軍人・官吏・意識の遅れた労働者、其他等の層の意識を通じて、独占・金....
社会時評」より 著者:戸坂潤
処で原博士の所感だが、「貧農の救済は一刻も躊躇はならぬ、しかし、僕の痛感したのは中農の悲惨な実状である。かれ等は平素相当な生活をしていたため、現在ではその所有品....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
その経営主体は矢張りこの産業組合ということになっている。 ところがこの新官僚的中農主義が議会によって、所謂中小商業者の利益の保護の側へ、多少移行したという現象....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を諸葛孔明様は持っておいでになりました。十六町歩と申しますると、日本の国ではまず中農以上の大地主の部類に属する地面持でございますが、かりにこれを一反歩五俵二石取....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
である、生れは矢張りこの村の一部で、幼少時代はさのみ貧乏というわけではない、まず中農階級の上等の方にいたものであるが、彼の父が失敗続きで非常なる苦境に陥ってその....
次郎物語」より 著者:下村湖人
謙蔵が、自然、この家を相続することになったわけなのである。 謙蔵は、村内のさる中農の次男だったが、性来実直で、勤勉で、しかもどこかに才幹があるというので、正木....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
家は秋田県にも少くないが、二階に張りだし窓のような独特のフクラミをもった藁屋根の中農家が目立つので、新潟県の農村ほど寒々した感じがない。 屋根に石をのッけた農....
」より 著者:坂口安吾
現象ではなく、ずッとそうだった。したがって、彼の家の本当の職業は農である。それも中農と小農の中間ぐらい、むしろ小農に近いぐらいの農であった。それと神社の収入を合....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
のものが、二十四代剣を伝えるとはいうものの、立派なのは道場だけで、豪農でもなく、中農ですらもない。小部屋が四ツあるだけのただの小百姓にすぎないということも、おの....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
したんだぜ……」 呵々大笑して、「お蔭で、この山間の村々でも、約三百軒の貧農、中農が、まき添えを喰って倒産する。だが、それも時代の勢いというもので、何とも仕方....
迷信解」より 著者:井上円了
る話がある。すなわち、「先年、尾州中島郡にて堀田某氏がある家の座敷より望むに、日中農夫の糞桶を担ぎ、ひしゃくを手にし、作物の上をも顧みず歩き回り、西するかと思え....