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中途半端
「中途半端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中途半端の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片信」より 著者:有島武郎
には、やはりこれだけの長い年月を費やす必要があったのだ。今から考えると、ようこそ
中途半端で柄にもない飛び上がり方をしないで済んだと思う。あのころには僕にはどこか....
「泥濘」より 著者:梶井基次郎
対して妙に空ぞらしくなってしまっているのだった。何をやりはじめてもそういうふうに
中途半端中途半端が続くようになって来た。またそれが重なってくるにつれてひとりでに....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
いったごとく、彼らに何十倍、何百倍する多数の青年は、その教育を享《う》ける権利を
中途半端で奪われてしまうではないか。
中途半端の教育はその人の一生を
中途半端にする....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
奴だが……。近所の評判はどうだ」 「褒められてもいねえが、悪くも云われねえ。まあ
中途半端のところらしいようですね」 「
中途半端じゃあ困るな。白雲堂にでもうらなっ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
てしまうのだった。誰があんな自我の無い手合いと一しょになるものか、自分にはあんな
中途半端な交際振りは出来ない。征服か被征服かだ。しかし、この頃自分の感じている真....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
文人にもなれず、ジゴマの本を作る文学製造業に従事する気にもなれないドッチ附かずの
中途半端の我々は、丁度市区改正の時取払いになるお城の石垣と同様なものではあるまい....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
四十男の感傷主義なんていやだわ。女学生の作文のような恋愛なんか、いやだわ。そんな
中途半端だから、お姉さんも苦しみ、貴君も苦しむのよ。やるのなら、ハッキリした方が....
「「ファン」について」より 著者:伊丹万作
題を別の観点に引きおろして、あらためて見物の質としてのファンを論ずるならば、私は
中途半端な、いわゆるファンはあまり感心しない。 私の経験では、軽症映画中毒患者....
「画道と女性」より 著者:上村松園
志も、常人以上の人でないと、若い志願者からの相談に会っても容易に勤められもせず、
中途半端では却って気の毒な結果に陥りたがるものです。よく私共のところにも遠方の見....
「審判」より 著者:カフカフランツ
毎夜やらなければならない。夜でも十分でなければ、休暇をとらなければならない。ただ
中途半端なところにとどまっていないことである。それは仕事でばかりでなく、いつでも....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
貴公子の御大将、艱苦、希望、大見得――そのすべてがついに、むなしい屈辱と、無限に
中途半端な睨み合いの底に沈み――つまり、瓢箪鯰の、チロオヌ一流の勝利へと、まるめ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
灰にし去り、世にあり得べからざる幸福をちらと覗かせて、私の現実生活に対する情熱を
中途半端なものにしてしまったからである。その点からも私はこの聖者を、突きとめなけ....
「愛に就ての問題」より 著者:小川未明
の残忍は為し得ないという時そこに本当の人間性はあり得る。 私は如何なる場合にも
中途半端の虚偽を憎む。現代の多くの人々はこの
中途半端に居る。しかも、人が苦しみを....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
この両方の特長を兼ね備えるということは人格が完成された完人に望まれることで、
中途半端な私たちにはなかなかの難事であります。そこで男女はおのおのその特長を持っ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
面目な戦争とならなかったが、フランス革命以後は国民戦争となった。国民戦争に於ては
中途半端の勝負は不可能である」との信念の下にルーデンドルフは回想録や「戦争指導と....