中食[語句情報] » 中食

「中食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

中食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
くなって見えた。二人は停車場の付近にある或《あ》る小ぎれいな旅館を兼ねた料理屋で中食《ちゅうじき》をしたためた。日朝《にっちょう》様ともどんぶく様ともいう寺の屋....
河口湖」より 著者:伊藤左千夫
ずねてきて、さびしい宿屋に天平式美人を見る、おおいにゆかいであった。 娘は、お中食のしたくいたしましょうかといったきり、あまり口数をきかない、予は食事してから....
単独行」より 著者:加藤文太郎
皆は五合目の観測所の小屋に泊るので、僕はそこをスキー・デポとしてアイゼンを履き、中食ののち、宝永山の尾根へトラヴァースした。この附近はまだ雪がやわらかくだいぶも....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
処に、亜鉛と柿の継はぎなのが、ともに腐れ、屋根が落ち、柱の倒れた、以前掛茶屋か、中食であったらしい伏屋の残骸が、蓬の裡にのめっていた。あるいは、足休めの客の愛想....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、そればかりではありません。 ――片原の町から寺へ来る途中、田畝畷の道端に、お中食処の看板が、屋根、廂ぐるみ、朽倒れに潰れていて、清い小流の前に、思いがけない....
山の湯雑記」より 著者:折口信夫
だ禁猟にならない処もあり、禁猟など言うことが、鮎にあることすら知らぬ地方もある。中食の払いをして見ると、普通こう言う町でとる値段の倍以上もつけておこしたようであ....
糸くず」より 著者:国木田独歩
鐘が鳴ると、遠くから来た者はみな旅宿に入ってしまった。 シュールダンの大広間は中食の人々でいっぱいである。それと同様、広い庭先は種々雑多の車が入り乱れている―....
イワンの馬鹿」より 著者:菊池寛
前さんはすぐつれて行かなきゃいけないよ。兵隊をこっちで養うことになると、一日で村中食いつぶされてしまうからな。」 シモンは、その兵隊をみんなつれて行くことを約....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
の頭はまるで二つの柱に立てかけた地球儀のようであった。 「彼等二人は、ちょうどお中食をしているに違いない……」と彼は思った。「テーブルの上には真白な布が敷かれて....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、五つばかり年紀上だが優しい婦で、可愛い小僧だから、つい親んで、一日、能会の日、中食の弁当を御馳走して、お茶を入れて二人で食べていた。――処へ、装束を袴に直して....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
もなければ手応えもない、折角自然の大観に接しようとしたがこの始末、そこで櫓に登り中食をしながら附近を見る、櫓柱は朽ちて央ば以上形なし、東下の石小屋は、屋根が壊れ....
」より 著者:カフカフランツ
動いてくれたまえ!」そして、Kだけに向っていった。「君は今すぐ私のために橋亭から中食をもってきてくれたまえ!」 こんな言葉はみなひどく怒って叫ばれたのだったが....
審判」より 著者:カフカフランツ
もう食事の支度ができていて、しかも、日曜日にはほとんどすべての下宿人がここで中食をとるので、多人数の支度であった。 Kが部屋にはいると、モンターク嬢は窓ぎ....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
はいえ、実にこの柵の要害堅固のためであった。これにはさすがの武衡らも閉口して、城中食尽きついに陥落するに至ったとあるが、しかも今に至ってなおいわゆる焼米のかく少....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
がまた薄く低迷して、うそ寒く、寒く暮れてしまうのである。私たちはまた一旦上って、中食所であった旅館の一、二へとりどりに鞄や土産物をそろえに急いだ。 それから小....