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中黒
「中黒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
中黒の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
なかには三浦介義明も木蘭地《もくらんじ》の直垂《ひたたれ》に紺糸の下腹巻をして、
中黒藤《なかぐろとう》の弓を持って控えていた。三浦の党は上洛以来きょうが初めての....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
進は、高遠の城主三万三千石内藤|駿河守の家老の一人、弓は雪河流の印可であるが、小
中黒の矢をガッチリとつがえキリキリキリと引き絞ったとたん、 「待った待った射っち....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《うしろ》ということが明瞭《はっきり》とわかるのでござる」 と言いながら小森は、
中黒の矢を一筋とって弓に番《つが》えて、ねらいの形をして見せました。なるほど、よ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
そのため私は教場でたびたびたたされた。頭の上に、重い謄写版の鑢をのせられ、一時間
中黒板の横にたったこともあった。しかし別に恥しいとは思わなかったし、たたされなが....
「日置流系図」より 著者:国枝史郎
を探る手が顫えたのである。それでも弓弦を差し出すと、また同じ声同じ調子で、 「小
中黒の征矢三筋……」 「…………」今度は忠蔵は言葉もなく云われた矢を取って差し出....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
本筋である。 ところが、眼の前へかかって来た人馬の笠印やら旅道具を見ると、俗に
中黒という丸に太い一本筋の紋――。足利家のと、よく似てはいるが、違っていた。 「....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
がいないぞ」 義貞の語尾について、全軍は、わあっ……と三たびの諸声をあわせた。
中黒の軍旗の下は、こうして越後同族を合流し、その日から一やく、四千騎ぢかい奔流と....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
もに納めた旗らしく思われたが、あいにく紋は二引両(足利の定紋)であって、新田家の
中黒ノ紋でなかった。で、彼は不きげんな色になって、 「かような古旗は、当家にとっ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
存ずる所あって、われらは今よりは官軍へ味方する」 と、俄に、とりでの高い所に、
中黒の旗(新田方の印)を掲げ、妙恵の床几の前へ来て、 「舅殿にも、いまはお覚悟の....
「姫たちばな」より 著者:室生犀星
も、それがどういう試みの言葉であるかを知っていた。一人は白羽の矢をつがえ、一人は
中黒の矢をつがえ、狙いが決った時、同時に矢ははしばみの枝をくぐって放たれた。それ....