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丸ごと
「丸ごと〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸ごとの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
に渡して自分は手軽に酒の用意をした、見ると大きな巾着《きんちゃく》茄子を二つ三つ
丸ごと焼いて、うまく皮を剥《む》いたのへ、花鰹《はながつお》を振って醤油をかけた....
「豚吉とヒョロ子」より 著者:三鳥山人
て、その入り用なところはみんな棄ててしまうようなところばかりだから、お金を出して
丸ごと買うのは馬鹿馬鹿しい。八百屋や肉屋へ行ってそこだけ貰って来れば、いくらでも....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
崩しながら、書生たちにもお愛相よくふるまっていた。やがて書生たちも、烏賊の刺身や
丸ごと盆に盛った蟹などを肴にビールを二三杯も呑んで、引き揚げていった。 その晩....
「紫紺染について」より 著者:宮沢賢治
へんうれしかったようでした。しきりにかぶりかぶりとお酒をのみました。お魚が出ると
丸ごとけろりとたべました。野菜《やさい》が出ると手をふところに入れたまま舌《した....
「道標」より 著者:宮本百合子
ていた伸子は、不意に現れた一人の軍人によって、その居心地のよかった場所から熊手で
丸ごとかきおこされた。伸子は、藤原威夫が軍人らしい歩調で出て行ったあとの病室のベ....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
。四百億円というと大戦後の独逸を、カイゼルもヒンデンブルグもヒトラーもコミにして
丸ごと買える金額だからね。それ位の夢は時々見ていないと早死にをするよ。ハハハハ」....
「悪魔祈祷書」より 著者:夢野久作
ったら、苦労は御座んせんが、タチの悪いお客もずいぶん御座いますよ。ソレア……一冊
丸ごと立読みなんて図々しいのはショッチュウの事なんで、その又読み方の早いのには驚....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
と言わしっけね、何にも落こちたものはねえね。) って言いながら、やがて小鉢へ、
丸ごと五つばかり出して来ました。 薄お納戸の好い色で。」 二十七....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
祝いしようと、本当にたのしんで居ります。あなたは桃太郎のしわんぼだから、御褒美を
丸ごと一つは下さらず、きっと半分下さるでしょうが、それでも私は大変それを楽しみに....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
、いゝところだね。はじめから小皿に小さく配給されたんじゃア、孤立して貧寒だねえ。
丸ごと銘々で切りくずして行くところに、銘々が同じ血をわけ合っているというアタタカ....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
、よくどこかに大きな皺ができて、文字の扁がなくなったり、はなはだしい時には、一字
丸ごと埋まってしまうような場合もあるのですが、一つ試しに、嵐村次郎とある上半分か....
「冒した者」より 著者:三好十郎
モジモジ尻ごみしている) 柳子 そいっじゃ、あたしが振る。あんたが勝ったら、私を
丸ごと。私が勝ったらその金と指輪もみんなもらいます。 房代 よして! もう、よし....
「一癖あるどじょう」より 著者:北大路魯山人
を打てば、どじょうは一遍に参ってしまう。 小どじょう、大どじょうともに味噌汁に
丸ごと入れることが一番|美味いとされているが、十人中九人までは、
丸ごとの姿を見た....
「三国志」より 著者:吉川英治
て、まず一人では持てないような酒瓶が祭壇の莚へ運ばれてきた。 それから豚の仔を
丸ごと油で煮たのや、山羊の吸物の鍋や、干菜を牛酪で煮つけた物だの、年数のかかった....
「すき焼きと鴨料理――洋食雑感――」より 著者:北大路魯山人
で、カスに美味い汁をかけているに過ぎない。ほかの客のはあれでよかろうが、こちらは
丸ごと持ってこいと言ってくれ」 と頼んだが、案内人の荻須氏の言葉を聞いたボーイ....