丸まっちい[語句情報] » 丸まっちい

「丸まっちい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丸まっちいの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鉄鎚」より 著者:夢野久作
え》まぶたの大きな眼が純然たる茶色で、眉が非常に細長くて、まん丸い顔の下に今一つ丸まっちい腮《あご》が重なっていた。縮らした前髪を眉の上で剪《き》り揃えたあとを....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
の委員長である賀茂子爵の鶴のような痩身の隣りには、最高の段位を持つ文士樋口謙氏の丸まっちい胡桃のような姿を見かけました。五月藻作氏と連れ立った断髪の五月あやめ女....
牡丹」より 著者:宮本百合子
れ下っている船乗りらしい眼付になった。その幅広な視線で、元気な石女《うまずめ》の丸まっちい女房を見下しながら、 「それは分っているさ……だがね」 「だがね、どう....
ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
着ているものごと痒《か》きながら、札をひろったり、捨てたりしている。 信吉は、丸まっちい鼻へ薄すり膏汗《あぶらあせ》をにじませたまま、暫く勝負を見ていたが、 ....
ピムキン、でかした!」より 著者:宮本百合子
立てた。 ――どして。 ――嗅でくれ! 麻ルバーシカを緑色の絹紐でしめた、丸まっちい体つきの医者は、イグナートに向って自分から、 ――どうもはや、村の連....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
て誰でも知っている“To be or not to be”というせりふをいった。丸まっちいからだの、禿げている頭の丸いハムレットが、紺の毛足袋の短い足を組みあわ....
播州平野」より 著者:宮本百合子
そ一人もないが、見えないどこかからか、往還を歩いてゆく自分の紺絣のもんぺ、さきの丸まっちい女学生靴、リュックに目じるしの赤ビロードの布はしが結びつけてあるのまで....
一つの出来事」より 著者:宮本百合子
返しながら頭で挨拶をする。そして、行く方へ各自の途を別れる。ときには、よく肥った丸まっちい四肢を機械のように振りまわして、窓下の芝生《ローン》で湖から飛んで来る....
フェア・プレイの悲喜」より 著者:宮本百合子
願望も実現には少なからぬ困難を経ている。 お喋りの間に笑い笑い云えば、私がこう丸まっちいのも不幸の一つね、と云えるようなものだが、真面目に人生の心持としてとり....
似たひと」より 著者:宮本百合子
見たの?」 「ううん、こんでいてそっちは見えなかった。フフフフ」 私があんまり丸まっちいので、いくらか丸い、或は相当に丸いひとがみんなその一つの概念にあてはめ....
斯ういう気持」より 著者:宮本百合子
に坐り込んだ。更に念を入れて、茶箪笥の引出しまで見た。やはり無い。…… 愛は、丸まっちい顔に困った表情を浮べた。彼女は、生れつき、決して行き届いた始末屋ではな....
「鎌と鎚」工場の文学研究会」より 著者:宮本百合子
見た。いる! いる! つき当りの壁から左へ鍵のてに卓子が並んで、真中に赤い鼻の丸まっちい「ラップ」の作家タラソフ・ロディオーノフが、鳥打帽かぶって、黄色っぽい....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
に安心して頂き、これから余りそんなことを繰返し書かないですむように。 (一)私が丸まっちい体をしているので心臓が疲れ易いということ。これは最も見易い常識。 (二....
犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
学博士。勲五等。五十七歳。身長一|米《メートル》五五。猪首《ししくび》で猫背で、丸まっちい、子供のような顔をしたこの小男の石亭先生が、泥棒に尻を押されて、露台の....