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丸一
「丸一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸一の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
とお蔦が懐しそうに、 「もともと、そういう約束で別れたんですけれど、私の方へも
丸一年……ちっとも便がないんですよ。 人が教えてくれましてね、新聞を見ると、す....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
ように答えた。 「プロペラの試験は、一番調子がよいとほめられた位です。あの設計は
丸一年かかりました」 「それで只今のお仕事は」 「今は航空研究所の依頼品を監督し....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
いるだけで、夜が明け出すと非常に明るく感ずるからよくわかる。こんなときはたいてい
丸一日晴天だから夜が明けてから様子をよく見定めて後出発しても遅くはない、で気をつ....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
に決した。望月甚八郎、山県討死の処に乗入れて敗残の兵を引上げしめようとしたが、弾
丸一度に九つも中り、脚と内冑を撃たれて果てた。ここに至って甲斐の武将勇卒概ね弾丸....
「リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
Bayern 地方になるのであるが、その Bayern の首府の民顕にあって僕は
丸一年余り勉強をして、つい二ヶ月前までは其処にいたことなどを思うと、静かな寂しい....
「明日」より 著者:井上紅梅
指折り数えて一つ一つ引合せてみたが、何一つ手落ちがなかった。 この日藍皮阿五は
丸一日来なかった。咸亨の番頭さんは單四嫂子のために二人の人夫を雇ってやると、一人....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
てから、風は日増しに涼しくなり、みるみるうちに初冬も近づいた。わたしは棉入を著て
丸一日火の側にいて、午後からたった一人の客ぐらいでは※がだらりとせざるを得ない。....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
会社に聘せられているコリンス方面監察と共にケニヨンへ向って出発した。二人は翌日を
丸一日捜索のために費した。が、列車の行方は全然解らなかった。事実の解明を可能に導....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
な。それはもうあの方の仰有る通りで。縄をぬけて前方へでて曲芸をやったわけですな。
丸一小鉄をへタにした曲芸を暗闇でやるわけなんです。いえ、あれだけが心霊術ではあり....
「梟啼く」より 著者:杉田久女
いた末弟のあまりにももろい死に様に一方ならず力落とししたのであった。 それから
丸一年を嘉義に過し其後台北に来、東都に帰った後も尚お暫らく弟の遺骨はあの白布の包....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
ません。 その年も暮れて、わたくしが二十一の春四月、夫がゆくえ不明になってから
丸一年になりますので、兄の方から改めて離縁の相談がありました。年の若いわたくしを....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
お仲間入りをしたいとは思いながらも、遂に其の意を果たす事が出来なかった。 もう
丸一年にもなる。文壇のいつもの例に拠ると、もう此の問題も消えて無くなる頃である。....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
がたまでいてO先生と別れ三人は那智の方に行く汽船に乗ったのであった。 それから
丸一年が過ぎた。私等は去年やったような歌の修行の集まりをば武州|三峰山上で開いた....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
いろの芸当を取り入れて、滑稽な身振りをして人を笑わせる。東京辺りでよく演じている
丸一の大神楽と云うのがその一例である。彼らは皿を廻したり、毬を投げたり、出刃庖丁....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
、人麿関係の調査のために、再び石見に行って、浜原、その他の町々を遍歴し、ほとんど
丸一年の間、人麿の研究に憂き身をやつして、『鴨山考補註篇』を書くことに没頭し、そ....