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丸刈
「丸刈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸刈の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千代女」より 著者:太宰治
て、お気の毒というよりは、何だかいやしい感じさえ致しました。おつむは相変らず短く
丸刈にして居られましたが、白髪《しらが》がめっきりふえていました。以前と違って、....
「乞食学生」より 著者:太宰治
いから、それでも可成りの美少年に見える。身長|骨骼《こっかく》も尋常である。頭は
丸刈りにして、鬚《ひげ》も無いが、でも狭い額には深い皺《しわ》が三本も、くっきり....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
津田青楓氏を師友として居た以上K氏と麻川氏は親愛して居るのだそうだ。K氏は、頭を
丸刈にしたこっくりした壮年期に入ったばかりの人、吃々として多く語らず、東洋的なロ....
「旅愁」より 著者:横光利一
もなるのだった。
そこへ客部屋を挨拶に廻っていたこの家の主人の沢が入って来た。
丸刈り頭で眼をしぼしぼさせ、とぼけ癖の表情のまま矢代の傍へ来て坐った。
「どうで....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
やになっちまうな」 岡部伍長は、線一本引いてない方眼紙の上をにらみつけながら、
丸刈《まるがり》のあたまを、やけにガリガリとかいて、寝所《しんじょ》へ立った。 ....
「怪塔王」より 著者:海野十三
でした。 塩田大尉は、ついに室のまん中にある丸い腰掛に腰をおろし、戦帽をぬいで
丸刈頭に風を入れました。 「ざんねんながら、なんにも怪しいものが見つからん。一彦....
「それらの国々でも」より 著者:宮本百合子
岡本太郎氏のように、十五六歳からの十余年をパリで生活して、日本へかえるとすぐ頭を
丸刈りにされて侵略戦争にうちこまれた人の心と体の経験には、どんな深い裂けめが開か....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
日網走刑務所へ送られるまでに、百合子は一度(六月一日)煉瓦色の獄衣に変って、頭も
丸刈にされた顕治に面会した。彼は作業として荷札つくりをはじめていた。 未来の大芸....
「擬体」より 著者:豊島与志雄
凝視した。ぴたりと吸いつくようなその眼光には、人を威圧するものがあった。今では、
丸刈にしていた頭髪を長めに伸ばし、白毛もだいぶ交っており、頬の肉は少し落ちていた....
「髪」より 著者:織田作之助
の毛がはじめて左右に分けられた日のことであったが、あの自治委員は私を呼んで、頭を
丸刈りにすべしと命令した。私はことの意外に驚いて、この学校は自由をモットーとして....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
でした。 「その相手の男の頭はどんな刈り方でした」 と俊夫君が尋ねました。 「
丸刈りでございました」 「あなたはその人の顔をよく覚えていますが、つまりその人が....