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丸呑
「丸呑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸呑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
にしたのである。これはその人の罪にあらずして制度の罪である。 この経験とドイツ
丸呑みよりの覚醒が自然今日の幹部候補生の制度となり、面目を一新したのは喜びに堪え....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
いる、臆病で素早く動く色の薄い瞳がちらついて来る。でなければ、主義とか理想とかを
丸呑み込みにして、それに盲従する単純すぎて鈍重な眼を輝かす青年が想像されて来る。....
「城」より 著者:カフカフランツ
あったために、そういうことを聞きたいという欲求にほとんど渇えていたので、すべてを
丸呑みにして、なおそれ以上のことを聞きたいという熱意に燃えていました。そして、事....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
筋を附けてお遣なさい。
すると男が後悔して、ぎくりとします。
炭はすぐにあなたが
丸呑にするんです。
水や酒で飲むのではありませんよ。今夜のうちに
お寝間の前へ来....
「茶番に寄せて」より 著者:坂口安吾
定し揶揄するのではなく、そのような不合理自体を、合理化しきれないゆえに、肯定し、
丸呑みにし、笑いという豪華な魔術によって、有耶無耶のうちにそっくり昇天させようと....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
人ばかり…….背の高い男の人なら,呑めば足だけ外へ残るけど,背の低い男の人なら,
丸呑みにしてしまうんですよ」 それを聞くやいなや,小男はいきなり立ちあがって,....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
茄子の丸焼きであった。これは友が庭前の叢に培った秋茄子である。焦げた皮を去って、
丸呑みに一噛み噛み込めば、口中に甘滋が漂う。次に、唐黍の掻き揚げが盆にでた。これ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
うとした。私は基督教が日本の文化に与えた功績を決して見落すものではないが、これを
丸呑みにしてことごとく欧米の風習通りに遵わねばならぬとした宗教界の先輩や牧師等の....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
七年前に死んだマアレイのあの顔が古えの予言者の鞭のように現れて来て、総ての人間を
丸呑みにしてしまった。若しこの滑っこい瓦がいずれも最初は白無地に出来ていて、その....
「KからQまで」より 著者:寺田寅彦
らない。しかし、その少し前にこの夏泊った沓掛の温泉宿の池に居る家鴨が大きな芋虫を
丸呑みにしたことを想い出していた。それ以外にはどうしてもそれらしい聯想の鎖も見付....
「物理学実験の教授について」より 著者:寺田寅彦
、むしろ有害になる虞がある。御膳を出してやって、その上に箸で口へ持ち込んでやって
丸呑みにさせるという風な育て方よりも、生徒自身に箸をとってよく選り分け、よく味わ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
さえが、この吐く息、吸う息を、巨蛇《おろち》の息ではないかと疑ったほどで、相手を
丸呑みにしてしまう執着を、さしもの米友が目の前で見ながら、手をつける術《すべ》も....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うな甘口ばかりじゃない、日本の国を覘《ねら》って来る奴等だ、貴様たちの一人や二人
丸呑みにするのは、蛇が蚊を呑んだようなものだ。それを思うと、あの女をはじめ貴様た....
「余は大衆作家にあらず」より 著者:中里介山
まっている、斯くて、今日一般が定義と検討とを別にして純文芸或いは大衆文芸の観念を
丸呑みにしているのである。 更に、斯ういう文学を綜合した「芸術」という文字に就....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
着《くっつ》いてヤッサモッサを始める段になると、もう気が逆上《うわず》ッて了い、
丸呑《まるのみ》にさせられたギゴチない定義や定理が、頭の中でしゃちこばって、其心....