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丸坊主
「丸坊主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸坊主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
よろ部屋へ、はいってしまった。 薄暗い八畳間の片隅に、紺絣《こんがすり》を着た
丸坊主の少年がひとりきちんと膝を折って坐っていた。顔を見ると、やはり、青本女之助....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 いわれましたので、目を転ずると、いかさまじつに奇態でした。毛をはぎとられた
丸坊主の京人形をしっかりとその胸に抱きすくめるようにしながら、ふらふらと狂えるも....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
えば豹一が見たのは頭髪をむやみに伸ばして眼鏡を掛けたところだったが、一月経てば、
丸坊主になり、眼鏡を外してしまっていないとは保証出来ないのである。夏にスキー帽を....
「散華」より 著者:太宰治
。その頃の文科の学生は、たいてい頭髪を長くしていたものだが、三田君は、はじめから
丸坊主であった。眼鏡をかけていたが、鉄縁の眼鏡であったような気がする。頭が大きく....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
と中から、元気よく一人の学生が飛び出して来た。 その学生は、帽子も被っていない
丸坊主だったが、いきなり僕が頭を出している二階を見上げるとヒラヒラと右手をあげて....
「黒猫」より 著者:島木健作
木の枝々を、惜し気もなく見るもむざんなまでに刈り払い、ある木のごときは、ほとんど
丸坊主にされてしまったのだ。私は怒った。そしてすぐに心であやまった。母とても立木....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
到達する筈になっている。 (「アトリエ」昭和三年十月) ドイツ人には兵隊の如く
丸坊主の頭が多い。それでいて殺風景かというと左様でもない。若いものは若いなりにさ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
は、つかんでいた花をみた。すると、二三枚しか花びらはついておらず、芯だけのこった
丸坊主頭が六本ぐんなりなって手の中にあった。ふりかえった。白いラインに並行して、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
成仏に近づきつつあるのかも知れん。 円陣がとかれると、さらに新たな読経が起って
丸坊主姿の喜兵衛が手前の足で歩いて行って静々と棺桶に横たわる。達者な亡者である。....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
姿に私の気持は滅入って仕様がなかった。 名古屋へついたら、市の中央いたるところ
丸坊主の原ッパばかりで、復興のおそいのに呆れ果てたのを忘れない。 升田はすでに....
「髪」より 著者:織田作之助
毛を伸ばした。何故伸ばしたか。理由は簡単である。私の顔は頬骨がいやに高い。それ故
丸坊主になると、私の頭は丁度耳の附根あたりで急に細くなり、随分見っともないのであ....
「荘子」より 著者:岡本かの子
はみな七竅がある。それで視聴食息する。ところが渾沌はそれが無い。われわれの好意で
丸坊主の渾沌に七竅を穿ってやろうでは無いか。そこで二人は渾沌に日に一竅ずつを鑿っ....
「中支遊記」より 著者:上村松園
は大袈裟にいうと千差万別といってよい。前額に二、三寸に梳れる程の髪を残してあとは
丸坊主の子、辮髪風に色の布で飾ったお下げを左右に残すもの、或は片々だけに下げてい....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
り、あなたがたはみんな、分別もなく森を枯らしてばかりいるので、まもなくこの地上は
丸坊主になってしまうんだわ。それと同じように、あなたがたは、分別もなしに人間を枯....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
それはかれの如才なさのたまものだった。たとえば、かれは、支那兵に扮するのに頭髪を
丸坊主にしてかゝった。舞台の合い間には何くれとなく、自分からすゝんで上の役者たち....