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丸彫
「丸彫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸彫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」より 著者:宮本百合子
国内戦は、記録文学《ドクメンタリーヌイ》の時代をすぎて既に革命の歴史的観点から、
丸彫りにして再現さるべき時になっている。しかし、左翼作家のすべてがそのような大主....
「新女性のルポルタージュより」より 著者:宮本百合子
けれど、ルポルタージュとして今日の社会に生きる一人の女性とその周囲とのいきさつを
丸彫りに浮び上らせて来ないから、読んだ人がそこから自分と自分の周囲を考えるヒント....
「同志小林多喜二の業績」より 著者:宮本百合子
いる。 「地区の人々」は、たしかに終りに行けば行くほど説明的になり、小説としての
丸彫にした描写は欠けている。同志小林の、完成された傑作ではない。そのことは明らか....
「ツルゲーネフの生きかた」より 著者:宮本百合子
、本当にどんな感想で、あまり単純でロマンティックなエレーナを、或は何か非現実的で
丸彫りでないマリアンナを、自分たちの激しい前進的な生活とひきくらべつつ読んだであ....
「文学における古いもの・新しいもの」より 著者:宮本百合子
て引つかみ、押しすすめて行ったら、「風雲」は全く一つのつよくやさしい階級の心情を
丸彫りしたものとなったであろう。 「風雲」について見る場合、作者の意企が作品に形....
「新年号の『文学評論』その他」より 著者:宮本百合子
持っていた題材、主題や様式などの単一性に対して、熱心に現実の多様な錯雑をさながら
丸彫りとして芸術化そうとする方向に一致して努力されていることも認められる。これら....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
品批評としてはそれを承服しない人もあるでしょう。 重治は現実につめよっているが
丸彫りにしていないと云ったが、そういうところか。 いずれにしろ、前へ、前へで、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
わかったと思っていた去年の正月あたりの事も、この情態で一層くっきりと、人間交渉の
丸彫りの姿、小説にかけるだけの生々しさで(現実性で)再び浮んで来て、頭で、そうい....
「作品の倫理的批評」より 著者:豊島与志雄
るから、先ず概略を云うと、私は芸術に或る点まで具象性と独立性とを要求する。芸術は
丸彫にされたものでなければならない。(この
丸彫という言葉はいつか武者小路氏によっ....
「偶像に就ての雑感」より 著者:豊島与志雄
己の感情を、止むに止まれぬ心情の発露を吹き込むのだ。心象を具体化するのだ。主観を
丸彫りにするのだ。然し乍ら偶像は常にその作者の生命と直接に向き合っていなければい....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
というものは具体的な、概念で分析しない。是非善悪を判断しない。そこにあるがままの
丸彫りの状態であります。言葉は概念でありますから、それで現わすことができないのは....
「回想録」より 著者:高村光太郎
それで人間の顔の「にくあい」その他を覚えさせるのである。それが終ると板から離れて
丸彫を始める。然し其処までやると
丸彫になっても格別のことはなく、ひとりでにやれる....
「美術学校時代」より 著者:高村光太郎
どが相談して、やはり昔からの木彫の順序立ったやり方を教える。地紋、肉合い、浮彫、
丸彫等と二年間くらいはそれを教えられる。小刀の使い方なども覚える。僕もその通りを....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
した。およその下図は廻って来ましたが、今度は鏡縁欄間のような平彫りとは違って狆の
丸彫りというのですから、下図に便っているわけに行かない。まず何より第一番にモデル....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
から、いって置かねばなりませんが、私の原型を作った手間がどうかといいますと、狆の
丸彫り四つで百円であった。一つが二十五円……今日の人が聞くと不思議と思う位であり....