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丸柱
「丸柱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
丸柱の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
段を、一つずつ数えるように上がって、そのところどころ剥落《はくらく》した朱塗りの
丸柱の下へ来て、疲れたように腰をおろした。さすがの夏の日も、斜めにつき出した、高....
「野分」より 著者:夏目漱石
なものはない。客は車を駆って東西南北より来る。 杉の葉の青きを択《えら》んで、
丸柱の太きを装《よそお》い、頭《かしら》の上一丈にて二本を左右より平《たいら》に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
広げられた道路をおよそ何間と数え、めずらしい煉瓦建築の並んだ二階建ての家々の窓と
丸柱とがいずれも同じ意匠から成るのをながめた。そこは明治五年の大火以来、木造の建....
「春昼」より 著者:泉鏡花
刻んだものの如く、髣髴として夢に花園を仰ぐ思いがある。 それら、花にも台にも、
丸柱は言うまでもない。狐格子、唐戸、桁、梁、※すものの此処彼処、巡拝の札の貼りつ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
早くお供えなさるが可いね。 女郎花 それこそ露の散らぬ間に。―― 正面奥の中央、
丸柱の傍に鎧櫃を据えて、上に、金色の眼、白銀の牙、色は藍のごとき獅子頭、萌黄錦の....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
想は、いずれ美しく見えるものでござります。ちょうど、桃色の霧で蔽われた、縞瑪瑙の
丸柱を見るように、(間)御前様、奥様は花に溜った露でお化粧をするのがお好きでござ....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
目立ちます。そのためとかく横道にそれた技となりました。それよりも本当の雑器を焼く
丸柱村の窯の方を取上げたく思います。土鍋、行平、土瓶など色々出来ますが、とりわけ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
奥へ進む。 大きな講堂でもつぶしたのか恐ろしく広い道場であった。寺だけに、太い
丸柱が奇異に見えるし、欄間彫の剥げた金箔だの胡粉絵具なども、他の道場には見られな....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
綱も覚って、本堂の正面へ、バラバラと走りだしてゆくと、ちょうど廻廊の曲り角、太い
丸柱の蔭から、 「待てッ――」と一本の白刃が出た。 それは旅川周馬である。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
て彼を包囲し、奥にいる馬元義と李朱氾へすぐ知らせた。 劉備は縛められて、斎堂の
丸柱にくくりつけられた。 そこは床に瓦を敷き詰め、太い
丸柱と、小さい窓しかない....