丸潰れ[語句情報] » 丸潰れ

「丸潰れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

丸潰れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
なりはしまいか。 青空を又押上げる? 地震に居残った旧式の大建築、又は最新式の丸潰れや半壊れのすき間すき間を、丸の内一面にバラックが建て込んでいる。 そのう....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たからである。あの観世物小屋には人間が忍ばせてあるなどという噂が立っては、商売は丸潰れになるばかりか、どんな咎めを受けないとも限らないので、かれらは素知らぬ顔を....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
そこらで室調を、便利な階下へうつすことにしようじゃないか」 帆村荘六の面目玉は丸潰れだった。彼が犯人と指摘した人物は、皮肉にも、警察署の留置場に一と晩送って、....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
戸中で沢山の家が潰れる、火事が起る、死人や怪我人が出来る。そのなかでも吉原の廓は丸潰れの丸焼けで、こゝだけでもおびたゞしい死人がありました。おつねの勤めている店....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ものの、栽きを仰いでもし一主水之介、身の潔白を立て通しえたら、大目付職務の面目は丸潰れなのです。人を呪ったその穴は、おのが足元にぽっかりとあいて来るのです。 ....
小村淡彩」より 著者:宮本百合子
。ところが思いがけない一昨年の大地震で、何十年来のこのしきたりが破れた。××寺は丸潰れにこそならなかったが、もう迚も以前のように多勢の書生などを収容出来なくなっ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
年三月三十日、大地|震《ふる》うてビークン丘とビーチェン崖と打ち合い、英国バス市丸潰れとなる由を、天使が一老婆に告げたという評判で、市民不安の念に駆られ、外来の....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
出盛る頃に、ぱらぱら生暖い風に吹きつけたために――その癖すぐに晴れたけれども――丸潰れとなった。……以来、打続いた風ッ吹きで、銀杏の梢も大童に乱れて蓬々しかった....
静岡地震被害見学記」より 著者:寺田寅彦
面一杯に並べ立てるから、読者の受ける印象ではあたかも静岡全市並びに附近一帯が全部丸潰れになったような風に漠然と感ぜられるのである。このように、読者を欺すという悪....
二人町奴」より 著者:国枝史郎
う云われる貴殿の言葉を、承知致したその上で、矢部を貴殿に渡したが最後、拙者の面目丸潰れじゃ。お断わりお断わり、決して渡さぬ!」 これも立派に云い切った。 「な....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ではなく、また消火機関が完全してもいないから、一度類焼したが最後、財産はほとんど丸潰れになりました。中には丸焼けになったため乞食にまで身を落とした人さえある。今....
魔都」より 著者:久生十蘭
察しられんのか、莫迦な!……真名古に真相の報告書なぞ出されて見ろ。警保局の面目は丸潰れだア。その時は俺も君ももう首は繋がっちゃ居らんぞ。……それどころか、これが....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
? 文麻呂 ……… 御行 (意地悪そうに笑って)……さて、それでは大納言の信用が丸潰れになってしまう。早速なよたけの君にお引合せすることに致しましょうかな?……....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
相違はなかろうけれど、出世したところでこの家の娘を嫁に引取る料簡では、拙尼の方が丸潰れじゃ。御取立に預った上は、必らず後から呼び迎えるという、あれ程堅く約束をし....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
梅田が明確に答えた。 「市長を追い出すさ、あんな市長を置いておくと大阪の資本家は丸潰れになるぜ……」 島は梅田に質問した。 「それはわかっている。しかし、どう....